米国の4月の雇用統計が公表された。事前予想よりも良い数字で、失業率は過去10年間で最低の4・4%まで低下した。冬場の不振から春になって立ち直ったことが示された。
雇用の回復は幅広いセクターに及んでいる。とくにサービスセクターや医療関係で雇用の伸びが強かった。
失業率の低下により、より人手不足感の強いセクターで賃金上昇の圧力が始まることが期待される。ただし、今のところ賃金上昇はゆったりしている。
さらに、Fedによる6月の利上げの可能性が一層高まった。これは今年2回目の利上げとなる。その後9月にもう一度利上げに踏切、今年後半には4・5兆ドルに及ぶバランスシートを縮小する過程が始まるかもしれない。
Fedの目的は、危機後に導入した刺激策を優しく引き戻そうというものだ。しかし、過去に失業率が同様の水準まで低下したときほど、短期金利を高くしようとは思っていない。今年の2%成長がせいぜい、とみているからだ。
労働局の公表によると、4月の新規雇用者数は21・1万人の増加幅だった。3月は7・9万人に過ぎなかった。
GDP成長率も上向きの予想が増えており、今年第2四半期は4%成長を見込む予想が出ている。
雇用統計を批判していたトランプ氏は、ツイートで早速、「雇用だ、雇用だ、雇用だ」と述べた。
しかし、雇用のモメンタムが維持されているのかどうか、判断するのはまだ早い。
https://www.wsj.com/articles/u-s-economy-adds-a-robust-211-000-jobs-in-april-1493987658