英字紙ウォッチング

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ステルステーパリングがやってきた

 日銀のステルステーパリング。FRBが利上げを推し進め、ECBは債権買い入れを縮小しようとしている。しかし、日銀は緩和の銃を永遠に手放そうとしていない。しかし、それは本当なのだろうか。
 もちろん、間違っている。日銀も引き締めに転じているのだ。
 9月の国債買い入れ規模は7・7兆円だった。買い切りによる緩和規模としては2014年10月以降で最小である。まるでそれはテーパリングのようにみえる。
 昨年イールドカーブコントロールを導入して以降、中央銀行は10年国債金利をゼロ近傍で維持するために、国債をより多く、あるいはより少なく買うことができている。つまり、10年国債金利が劇的に動かなければ、日銀はそれほど多くの国債を買わなくて済んでいる。
 黒田総裁は政策がシフトしていることを否定している。しかし、数字が物語るのは総裁の言葉とは異なったストーリーだ。このペースであると、今年の買い入れ規模は60兆円である。40兆円相当の国債が満期を迎えるからだ。
 問題は世界の債券金利が相当期間、上昇し続けた場合、日銀は何をするかである。FRBやECBが緩和を縮小し、債券金利が上昇し続けると、日銀の政策の命は苦しくなる。
 https://blogs.wsj.com/economics/2017/10/16/the-bank-of-japans-stealth-taper-is-back/
 IMFの金融安定化レポートより。ネットの国債発行額と中銀買い入れの比較が行われている。
 https://ftalphaville.ft.com/2017/10/17/2194957/charts-of-the-day-policy-divergence-edition/