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ウクライナ、時間との闘い

 雨。

 アメリカ議会がようやく支援を決めたのを受け、ウクライナは時間との闘いを強いられている。長らく待ち望んでいた支援が決まったが、今後数週間、厳しい戦いが待ち受けている。ロシア軍は着実に前進しているからだ。

 米議会下院は600億㌦の軍事支援を決めた。今後数日のうちに、ウクライナに対し、弾薬や武器が送られることになる。すでにポーランドや欧州のほかの地域において、武器と弾薬は備蓄されており、送る準備ができている。しかし、今回の米国の支援によりウクライナ軍が直面している前線が劇的に変わるほど甘くはない。

 1000キロに及ぶ前線のいくつかのポイントにおいて、ロシア軍が攻勢を強めており、ウクライナ軍にとっての戦況は悪化している。ロシア軍の容赦ない攻撃により、ウクライナ軍の前線は崩壊しかけている。

 米国の武器や弾薬支援により、ロシア軍の前進を遅らせる効果が期待できるが、止めることはできなさそうだ。同時に、ウクライナの人々は米軍の支援により戦争が終わる見通しを立てられるとの幻想は抱いていない。

 今回の支援により、稼ぐことのできる時間は1年ほどだ。ロシア軍の優勢に変わりはない。

 ウクライナ政府にとっての最大のチャレンジはマンパワーである。マンパワー次第で、2025年まで戦争がどう展開するかが決まる。ロシアは現在、1カ月あたり3万人の兵士を動員できる力がある。この人数は少なくとも戦場で亡くなる兵士を十分賄うことができる。

 これに対し、ウクライナ軍は今月、動員年齢を27歳から25歳に下げる法律に署名した。米軍の軍事支援により、ここ数週間、深刻なダメージを受けたウクライナのインフラを防衛することができる。

 https://www.ft.com/content/099e668a-61c8-43c0-87a4-546dc09b73c2

 2年に及ぶ戦争がウクライナ人を困窮させている。特に高齢者や障碍者への影響が大きい。

 https://www.economist.com/europe/2024/04/21/two-years-of-war-have-impoverished-many-ukrainians