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トランプの勝利

 エコノミスト最新号。
 トランプ氏の勝利は共和党だけでなく、米国にとっても災厄となる、と述べている。
 160年に及ぶ共和党の歴史の中で、同党は奴隷制を廃止し、市民権法を成立させ、冷戦を終結に導くのに協力をしてきた。今後6ヶ月の間、共和党は過去の栄光のようにはいかないだろう。インディアナ州予備選挙を終え、共和党員はテロリストの家族を殺し、荒っぽい陰謀理論を持ち、保護主義で経済的に明るくない政策を持つ候補者とともに、大統領選挙に臨むことがはっきりした。
 この結果は共和党だけでなく、米国にとっても非常に重要だ。指名が確定すると、トランプ氏はこれまでの主張の調子を変える可能性がある。彼の話し方はより大統領らしいものに変わるかもしれない。
 彼の信念は現実から乖離している。では彼の世界観はどのようにしてはぐくまれたのだろうか。それは彼の父親が運営する1960年代のニューヨークの建設現場で培われた。そこには、大工ら建設労働者ら、ブルーカラーが政治から置き去りにされる現実があった。それが、トランプ氏に深く根付いた経済ナショナリズムの原点である。
 彼の自由貿易協定嫌いは筋金入りである。1990年代初期にはNAFTAに反対の論陣を張っている。また、米国が貿易赤字であるのも、貿易相手国が違法なことをしているか、米国の交渉スキルがまずいためだと信じている。こういう信念を持っている人間にとってみると、貿易協定は災厄以外の何者でもなく、米国内に生産拠点を戻し、高い関税をもうけることが良いことだという主張につながる。彼の保護主義への信念は機会主義的な主張ではなく、信念なのだ。
 外交政策に関しては、トランプ氏は米国が世界で果たす役割について、複雑な不満を抱えている。彼の主張を孤立主義と呼ぶのは間違っている。彼は一方で、イラク占領や原油生産地域の侵攻を唱えているからだ。それはどちらかというと、ローマ時代の外交政策に近い。
 しかし幸いなことに、彼が勝利することはないだろう。特に女性は彼に投票する可能性が低い。
 http://www.economist.com/news/leaders/21698251-donald-trumps-victory-disaster-republicans-and-america-trumps-triumph