英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

サウジの閣僚交代

 少し風が強いが快晴である。連休最終日。
 サウジのサルマン国王は政府の閣僚を交代させた。今回の後退劇は、サウジの石油依存体制からの脱却と外資導入のタイミングと一致している。いわゆるビジョン2030を推進するため、体制を一新する狙いが込められているようだ。
 土曜日に公表された交代する政府高官の中には、石油大臣や中央銀行総裁も含まれている。より詳細な改革プランは5月下旬か6月初めに公表される見通しだ。
 石油大臣のアリ・アル・ナイミ氏は1995年からこの職にあったが、アラムコ社長のアル・ファリー氏と交代する。石油省も名前を変えて、エネルギー・産業・天然資源省となる。
 新たなサウジ中央銀行総裁には、副総裁のアル・ケライファイ氏が就く。前任のアル・ムバラク氏はこのところ、外貨準備が急減し、激しい圧力にさらされていた。
 サウジの通貨リヤルは米ドルにペッグされ、1ドル3・75リヤルで維持されている。しかし、1年後の先物価格はペッグを維持できないとの観測から、大幅に上昇している。
 サウジの為替ペッグ政策は、原油価格が高く安定していた次期には、石油価格はドル建てであるため、過去にはうまく機能してきた。ペッグを放棄することは、ドル高を招く。
 しかし、アナリストの多くは中期的にドルペッグを放棄することはないだろうとみている。ドル建ての債務がリアル換算で膨らんでしまうからだ。そして、インフレ率が上昇してしまう恐れもある。
 http://www.wsj.com/articles/saudi-arabias-king-salman-shakes-up-government-ministries-1462648704
 このニュースも興味深い。新たなロンドン市場にムスリム出身者が就く。保守党候補と激しい選挙戦を繰り広げ、勝利した労働党のカーン新市長である。
 選挙は現職のボリス・ジョンソン市長が3期目を目指さないということからスタートした。
 カーン新市長の得票数は130万票以上。対抗馬のゴールドスミス氏は100万票に届かなかった。ゴールドスミス氏は億万長者の息子だが、カーン氏のことを繰り返し「バス運転手の息子だ」と批判してきた。カーン氏が極端主義に対して寛容であり、彼の判断に疑問符がつくと批判していたのだ。
 しかし結果的にこの攻撃は逆効果だった。ロンドンっ子はむしろ、カーン氏に同情する票が集まった。カーン氏は人権派の弁護士であり、むしろ長年極端主義に対して戦ってきたと述べた。
 http://www.wsj.com/articles/labours-sadiq-khan-sworn-in-as-london-mayor-1462623527