英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

カオスなトランプ政権

 雨。
 米国株はトランプ大統領が関税は柔軟な設計を考えていると示唆したことで上昇に転じた。いくつかの同盟国には関税を免除することを検討しているからだ。
 https://www.wsj.com/articles/asia-pacific-markets-rise-slightly-1520473451
 エコノミスト最新号もこの問題を取り上げている。世界貿易が、ルールベースのシステムの危機に陥っていると。鉄鋼やアルミニウムの関税はその始まりに過ぎない。
 トランプ大統領は、輸入に一方的な関税を課す最初の大統領というわけではない。ジミー・カーター氏以降、歴代大統領は貿易に関する保護主義的な措置をいくつか打ち出してきた。また、鉄鋼とアルミニウムの関税だけで米国経済を棄損するわけでもない。米国の輸入は昨年2・4兆ドルであり、そのうちの2%に過ぎない。GDP対比でみると、0・2%である。
 もしこの関税がトランプ流の保護主義であるなら、これは意味のない自己棄損行為であるにすぎない。実際のところ、潜在的な災厄であるのだ。
 しかし、前兆は良くない傾向を示している。前任の大統領らと異なり、トランプ氏は自由貿易に長らく懐疑的な人物であった。トランプ政権の顔ぶれはカオス的様相を呈している。コーン氏が退任し、政権内に自由貿易主義者はほとんどいなくなった。
 https://www.economist.com/news/leaders/21738362-donald-trumps-tariffs-steel-and-aluminium-would-be-just-start-rules-based-system