英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

妥結に至らず、TPP交渉

 暑い。
 ハワイで開催されていたTPP交渉。期待の高かった妥結には結局至らなかった。ネックになったのは乳製品に関する交渉で、各国の溝を埋めることはできなかった。会合後の声明文で「重要な進展があった」と述べたが、次回会合の予定を決めることはできなかった。
 乳製品分野については当初、カナダの姿勢が強硬だとみられていた。しかし、ハワイ会合では、その強行姿勢はオーストラリア、日本、ニュージーランドに広がった。
 このような保護主義的姿勢は、TPPの魅力を殺ぎかねない。
 ただ、一方で進展もあった。特に、ベトナムやマレーシアにおける環境基準を引き上げることができた。これは米国民主党オバマ政権にとって重要な優先項目だった。知的財産分野など、センシチィブな分野においても進展があった。
 http://www.wsj.com/articles/dairy-dispute-disrupts-pacific-trade-talks-1438344360
 原油価格の下落が米国の巨大エネルギー企業に打撃を与えている。エクソンモービルシェブロンの業績への影響だ。エクソンの四半期業績は2009年以降で最悪となった。シェブロンに至っては、開発生産分野で22億ドルのロスを計上した。
 業界全体ではこのところ7万人の雇用削減と2000億ドルにのぼる開発コストの削減という大鉈が振るわれている。
 ちなみにブレント価格は現在、52ドルで推移しており、昨年6月の半値以下だ。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/718f6818-379c-11e5-bdbb-35e55cbae175.html?siteedition=intl#axzz3hcDjP4bo