英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

TPP第二幕

 晴れ。
 ファストトラック法案が議会を通過する見通しとなった。焦点は再び、TPP交渉そのものに移る。
 ホワイトハウス共和党は水曜日、上院で勝利を収めたが、最終的な勝利にはまだ大きな戦いが待ち受けている。
 上院での採決は60対38。オバマ大統領は数日以内にファストトラック法案に署名するとみられている。しかし、ファストトラック法案が成立しても、オバマ大統領がTPP交渉を進めるには障害がある。ドラマの第二幕が始まったに過ぎない、という見方もある。
 というのも、仮にTPP法案が成立しても、来年の大統領選に悪影響を与えるのではないか、という見立てだ。左派、右派両派からポピュリスト的な意見の攻撃がありうる。
 WSJによれば、TPP交渉で残ったセンシチィブな課題は、日本の農業市場の開放、製薬会社の特許保護期間、カナダの乳製品などだという。
 もし7月にTPP交渉で合意すれば、米国議会が最終投票を行うのに6ヶ月ほどかかる。その際、ワイルドカードになるのが、自動車産業自動車産業の比重の高い地域選出の議員は大きな批判を浴びせる可能性がある。
 http://www.wsj.com/articles/fast-tracks-passage-sets-up-round-two-on-obamas-trade-agenda-1435178359
 オーストラリアがAIIBに参加することを決めた。数ヶ月にわたって逡巡した上での決定だ。
 米国からAIIBには参加しないよう圧力を受けていたにも関わらず、オーストラリアは参加を決めた。
 http://www.wsj.com/articles/australia-commits-to-china-led-bank-1435136265
 最近のFTはギリシャ情勢一色である。事態は良いニュースが出た後に悪いニュースが出るなど、一進一退である。
 ギリシャが72億ユーロの資金支援で合意する観測が出ていたが、7時間に及ぶ交渉のうえ、合意に至らなかった。マラソン交渉は重大な進展にいたらず。両者の隔たりは以前大きいようだ。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/e75eb2cc-1a48-11e5-8201-cbdb03d71480.html?siteedition=intl#axzz3dvkny8sa