英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

中国とポルトガル

 今日も良い天気。午後からテニスを楽しむ。いい汗をかくことができた。テニス仲間から忘年会の相談とテニス大会出場のお誘い。テニスの仲間を中心に人の輪が広がっていく。

 中国の胡主席が土曜日、ポルトガルを訪問した。テーマはポルトガル国債を中国が購入することだ。豊富な外貨を背景に、ソブリン危機に見舞われた国を中国が支配しつつある様子がうかがわれる。
 http://www.ft.com/cms/s/0/85d8c5ec-e9d8-11df-9725-00144feab49a.html#axzz14a8tqqGU 
 ポルトガルと中国政府は二国間の商業取引について合意する予定だ。その中には、ポルトガル語を話すブラジルやアンゴラなどにおけるジョイントベンチャーも含まれている。
 ポルトガル政府はポルトガル国債購入を前向きに検討しようという中国政府のコミットメントを歓迎している。
 中国政府にとっても、米国債に偏り過ぎているソブリン債ポートフォリオ分散の効果がある。
 中国は以前、スペイン国債を購入したことがあり、ギリシャ政府に対しても、同種の提案をしたことがある。
 ポルトガルが2月に発行した国債のうち、5%が中国を含むアジアの投資家による購入だったという。3月にはこの比率は19・5%まで上昇した。
 ポルトガル国債の発行コストはアイルランド同様、上昇しつつある。そして、EUとIMFによる金融支援を必要とする「次のギリシャ」と目されている。
 ポルトガルの10年債の金利は今週、6.7%に達した。来週ポルトガルは今年最後となる15億ユーロの債券発行を予定している。IMFによると、ポルトガルの必要発行額は今年の189億ユーロから2011年に207億ユーロに増加する。
 

 マネーサプライより。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/11/04/swiss-core-inflation-turns-negative/
 スイスのコアインフレ率がマイナスになった。記録が残る限り、初めてのことだという。コアインフレ率(食料やエネルギー価格を除くので、日本でいうとコアコアインフレ率に相当)は10月、0.1%下落した。1994年以来初めてのこと。スイスの金利は2011年の第3四半期まで現状維持が予測されている。
 スイス中銀は来年のインフレ率もマイナスになると警告している。
 スイスのインフレ率がマイナスになったのは、スイスフラン高と景気後退の影響を受けている。しかし、名目GDP成長率は、年率で3〜4%と好調だ。

 先週のECB理事会の結果について。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/11/04/ecb-holds-stance-too/
 金融政策は現状維持。政策金利は1%、緊急貸し出し金利は1.75%、預金ファシリティ金利は0.25%、とそれぞれ変更はなかった。
 
 少し古いがGavyn Daviesのブログから。プライベート・エクイティの話題。
 http://blogs.ft.com/gavyndavies/2010/10/28/economic-anecdotes-from-the-world-of-private-equity/
 最近二つの小話を聞いた。
 最近、西欧企業による中国の製造会社の買収案件があった。しかし、これは問題含みだ。というのも、中国の都市部の人件費は高騰しており、労働力は製造業から大規模なインフラプロジェクトに移動しているからだ。そして、一人っ子政策が、若い女性労働力の不足をもたらしている。この点は、西側の低コスト流通業者にとって、死活的な問題になる。
 もう一つの話題が、英国の消費者活動に関する小話だ。10月20日に財務相が財政緊縮策を発表した。差し迫る歳出カットは人々をナーバスにさせるが、現実は人々が恐れるほど悪くない。