英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

マーガレット・サッチャー

 国内ニュースは尖閣諸島の衝突事件に関する動画流出問題で沸騰している。
 外は今日も秋晴れ。気持ちが良い。

 気分転換にブログのデザインを変更。ページビューもつけてみた。結局何のことはない、最初に選んだページのデザインに落ち着いた。

 米国の雇用情勢について。厳しい現状が続いているが、少しずつ明るい兆しもみられている。
 http://www.ft.com/cms/s/0/756b6c60-e85b-11df-8995-00144feab49a.html#axzz14SgvVUCk
 昨日も少し触れたように、10月の民間部門の雇用増加は4月以来の増加ぶりだった。経済回復が勢いを増しつつあることの証左だ。
 10月の雇用増加数は15万9000人で、エコノミストの予想を上回った。しかし、失業率に改善はみられず、9.6%のままだった。 
 株式市場の反応は弱い。ドルはユーロ、円に対して上昇した。
 中間選挙の結果を受け、オバマ大統領は共和党と、いわゆるブッシュ減税の延長について、今後数ヶ月にわたって微妙な交渉をしなければならない。
 一方政府は一時的に米国統計のために雇用していた職員を解雇し始めた。地方政府は財政危機に見舞われ、7000人の職員を解雇している。民間部門の雇用はサービス部門に集中し、建設や製造業は低迷している。労働時間と賃金も改善しており、明るい材料になっている。
 広義の失業率は、わずかに減少し、17%となった。また、27ヶ月以上職についていない長期の失業者は、41.8%にのぼった。これは5月のピーク時につけた46%を下回っている。
 
 米国のQEに対し、新興国を中心に批判の声があがっている。米国が提案している経常収支不均衡の是正策に対し、「量的緩和政策こそ問題視すべきだ」と中国が異議を唱えている。
 http://www.ft.com/cms/s/0/03567a28-e8a3-11df-a383-00144feab49a.html#axzz14SlZ57SE
 米国のガイトナー長官は、来週のG20で、経常収支の赤字をGDPの4%以内に抑える提案を行う。これに対し、中国高官は「計画経済の時代に戻るものだ」と批判した。QEこそ世界経済を不安定にし、他国に過剰な資金流入を促して不均衡を増すとして、世界から不満の声があがっている。
 ドイツのショーブル財務相は、「米国の政策はわけが分からない」と記者団に述べた。市場に資金を供給することが問題を解決するとは思われない、という。
 南アフリカ財務相も、QEは多国間の国際協調の精神をないがしろにするものだ、と批判した。
 G20では、国際貿易不均衡や為替について修復作業をする必要があるのだが、非常に難しい。G20自体の存在意義が問われている。
 一方、それとは別に、中国の高官は、来月のノーベル賞授賞式に欧州首脳が出席しないよう警告した。

 サッチャーに関する本3冊を紹介した記事。
 http://www.ft.com/cms/s/2/05eedf9a-e84a-11df-8995-00144feab49a.html#axzz14SqQzs4h
 
 マネーサプライより。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/11/05/stark-an-interesting-footnote/
 ECBのスターク理事によるペーパーが紹介されている。欧州の財政再建について。財政規律こそ重要で、財政再建は成長に資するという主張だ。スターク理事は金融政策においてもタカ派である。
 しかし、このペーパーはさらに踏み込んだ結論を出している。中央銀行の独立と中央銀行による財政ファイナンスの禁止、そして、政府間の救済の制限は、モラルハザードを防ぐために十分尊重されるべきだ、という。
 そして、脚注に注目すべき点が出ている。29ページの脚注。ユーロ圏の財政政策には欠陥があるとして、ECBによる国債買い取りを批判している。この点はブンデスバンクのウェーバー総裁と歩調を合わせている。
 
 そのペーパーはこちら。
 http://www.ecb.int/pub/pdf/scpops/ecbocp121.pdf
 
 何度も書いているが、財政規律に対する日本と欧州の感覚の違いに愕然とする。日本では、財政再建は置いてけぼりになり、財政規律を無視した予算要求が噴出。民主党もミニ自民党と化している。

 今週はFedのFOMCの陰に隠れて目立たなかったが、ECBの理事会も開催された。ユーロ圏のガバナンス改革について議論されているようだ。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/11/04/ecb-keeping-its-ungainly-words/
 出口戦略の次のステップについて、まだ真剣に考えていない。

 ユーロ周縁国の問題が再燃しつつあるのか。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/11/04/ecb-vs-swf-vs-efsf/
 ロシアとスウェーデンSWFは、アイルランドとスペイン国債を売却し、価格は下落。金利は記録的な水準まで上昇している。ECBがユーロ周縁国の債券を購入して助けるのではないか、という噂が出ている。
 アイルランド10年国債金利は7.53%に達した。デフォルトはもはや繰延べを意味するのでなく、かなりの損失を意味する。
 EFSF(ユーロ圏金融安定化ファンド)が出動するかがポイントだが、その金利は不明。提出されている金利は8%で、アイルランドの現行の金利はそれに近づいている。来週には、ポルトガル政府による7・5億から12・5億ユーロの調達(マネーサプライの引用の誤り、原点はビリオンでなくミリオン)が予定されている。