英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

台湾危機の焦点は2024年

 2023年がどうなるか。FTの記者が選んだ論点。

 まず、2022年の予想の多くは間違っていた。1つはロシアによるウクライナ侵攻。合理的には侵攻はないとみていたが、悲しいことにこの予想は外れた。これについて、2023年の停戦はないだろうという悲観的な見通しがある。

 もしロシアが天然ガスの供給を絞れば、欧州は停電に見舞われるだろうという予測もある。同時に2023年は中国による台湾侵攻の可能性を議論しなければならない。

 気候変動問題については、2023年に一時的に1.5度上昇を経験することになるのか、というと、それはそうならないと予想する。

 Fedによる利下げは2023年中にはない、というのが見立てである。ECBによる利上げの最終到達点も予想よりも高く、その結果、リセッションの可能性と量的縮小が周縁国の国債金利を押し上げることになるだろう。

 バイデン氏が次の大統領選に出馬するか否か。これはイエス。年齢は障害にならないという。

 これに対し、トランプ氏が訴追されるか。これはイエス。少なくとも4つの起訴論点があるという。

 中国による台湾侵攻、もしくは封鎖はあるのか。これはノー。いつの日か、習氏が台湾侵攻を決断する日は来るだろうが、それはおそらく2023年ではないという。もしその決断に至れば、米国との戦争は避けられず、権力を失い、永遠に中国の将来にダメージを与えることになるだろう。侵攻ではなく、封鎖はより可能性がある。その点、2024年の台湾大統領選が次の危機の焦点となる。

 日本のYCCも焦点になる。生き残るかというとイエス。マイナス金利も残る。

 https://www.ft.com/content/9784cc74-1193-4e1b-bf61-8ecaf19f569e