曇り。
米国債市場。経済減速の警告灯がともっている。国債のイールドカーブは逆イールドとなり、米国経済の先行きは暗転している。
10年もの米国債の利回りは2年債を下回っている。こうした事象が起きるのは、今年に入って3回目となる。いわゆる逆イールドカーブと呼ばれる現象で、過去50年間のリセッションについて、必ずリセッション前に逆イールドが発生していた。
ただしそれはリセッション直前に起きるのではなく、主に2年以内にリセッションが起きるということだ。
投資家のセンチメントも悪化している。食料から燃料まで物価高騰が継続しているからだ。Fedの利上げによって借り入れコストが上昇し、企業や家計の重しになっている。
先週後半に公表されたISM調査によると、米国の製造業セクターは先月、新規受注や雇用が減少に転じた。アトランタ連銀のフォーキャストによると、第2四半期のGDPは2.1%のマイナス成長が見込まれている。
一方、通貨ユーロは過去20年間でもっとも安い水準に沈んでいる。ドルが安全資産となり、資金が流れ込んでいるようだ。
経済見通しが暗くなるに伴い、Fedの利上げペースについて投資家は下方修正しつつある。先物市場が示す米国の金利見通しは、ベンチマーク金利が2023年初頭までに3.3%に引き上げられるという。これは3週間前には3.9%だった。
https://www.ft.com/content/5795f52f-36e0-45a5-bed6-f939e5535814