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ウクライナ危機で引き裂かれるドイツ政府

 快晴。

 ドイツにとって、ロシアのウクライナ作戦は頭の痛い問題である。ドイツの新政権はウクライナ危機にどう対処するかが問われている。

 メルケル首相の退任後、ドイツの新政権が最初に直面する外交上の課題が、ウクライナ危機である。

 ロシアによる侵攻の可能性が高まっているウクライナを助けるべく、高まる圧力にさらされているドイツ政府だが、先週、新しい政策を発表した。それはキエフに5000のヘルメットを送るというものだ。

 この決定はあざけりを持って迎えられた。ドイツは次にどんな種類の支援をしてくれるのだろう。キエフの市長はこう述べた。次は枕か?

 メルケル後の最初の危機を迎えるドイツにおいて、ドイツはまごまごしている。第二次大戦が残した複雑な負の遺産は、ロシアに対する政策を打ち出すうえで重しとなっている。発足してわずか7週間しか経っていないドイツの新政府は、平和主義を志向するロビーと、ワシントンによって主導されるそうではない主張との間に引き裂かれている。

 ドイツ政府の高官いわく、ドイツはロシアと開かれた外交チャネルを維持することが重要だと考えている。しかし、ドイツ政府のこうした姿勢に対する批判者は、ロシアがウクライナに与えている脅威の深刻さを十分に把握していないとしている。

 彼らの懸念は、輸入ガスの55%をロシアに頼るドイツが、制裁が経済に与える影響を気にしすぎることである。NATOの同盟国のいくつかの国々は、ドイツは信頼のおけるパートナーではないと疑い始めている。

 ドイツの混乱した政策がドイツだけでなく、EU全体にどれほどのダメージを与えているのか、わかっているのか、という声もある。

 問題なのは、ドイツの姿勢があいまいであることだ。その点、ロシアの狙いは大成功しているともいえる。ノルドストリームに制裁を科すのか、うろたえていること。ロシアが仮に侵攻すると、バルチック海で新たに完成したガスパイプラインがどうなるのか。

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