快晴。
投資家は、アメリカの社債市場を襲う嵐に備えている。CDSの数値が上昇し、警戒を要する水準に達している。株式相場の売りが債券市場にも波及してきた格好だ。
投資家は来るべき「売り」に備え、デリバティブ市場に殺到している。最近の株式市場の不信が社債市場に広がっており、その高まるリスクを避けようとしている。
格付けの低いCDSのインデックスは1970億ドルまで取引が拡大している。12月は1230億ドルだった。この水準は2020年3月以来の水準である。
ISDAのデータによる。年初よりも市場は神経質になっていると投資家は話す。
投資家は、インフレがFedの引き締め期間を呼び込むことを懸念している。金利は上昇し、よりリスクの高い株式や債券の価値に悪い影響を与えかねない。
今までのところ、社債市場は株式市場が売り一色なのに対し、比較的平穏である。リスクの高いジャンク債と米国債との利回り差は、12月を上回っている。しかし、デリバティブ市場の動きをみると、表面的な動きとは別に投資家が警戒感を強めていることがわかる。
専門家によると、クレジットサイクルが一回りしている。経済の下支え策がもはや社債投資家の利益にはならなくなっているだという。経済成長がこのまま続けば、Fedは金融政策を引き締め、企業経営者はより株主に利益をもたらすようなM&Aといった取り組みに乗り出しそうだ。これらはどちらも社債価格にとっては重しとなる。
弱気のもう一つの兆候が、米国のハイイールド債に投資するファンドが4週間連続で資金流出に苦しんでいることだ。ハイイールドのETFの資金流出は2020年2月以来の規模に達した。
https://www.ft.com/content/cf1d717a-f3c1-489e-b3ac-c4db2124536d