ルチール・シャルマ氏。世界は「債務の罠」にとらわれており、逃げ場はないと警告している。
短期的にインフレや成長の面で何が起きても、世界経済はあまりに多くの債務を背負っており、金利を引き上げることができないと指摘している。
シャルマ氏はモルガンスタンレー系列の投資会社のチーフ・グローバル・ストラテジストである。
世界経済にとって大きな謎の一つは、インフレが力強く戻ってきているのに、長期金利がここ数カ月、ほとんど動きを見せないことだ。
アナリストによるこの奇妙なマーケットの挙動に関する説明は、大規模な中央銀行による資産買取が効いているだとか、今起きているインフレは一時的なものであるというものだ。
しかし、これにはもう一つ説明ができる。それは世界は債務の罠にとらわれているというものだ。
過去40年間にわたり、債務総額はGDPの約3倍以上、350%にまで増えた。中央銀行は政策金利を低位に維持し、いわゆる「イージーマネー」が株式市場や債券市場、他の資産市場に流れ込んでいる。
https://www.ft.com/content/c9e0c2c1-55af-4258-9c92-92faa111f41e