英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

金利3%の意味

 エコノミストより。米国の長期金利が3%に到達した。その意味を検討している。
 10年債の長期金利が4年ぶりに3%に到達し、投資家らは身震いしている。彼らの懸念は金利が1982年以降、長いこと低迷していたことだ。この時代は終わったのか。
 この問いは債券保有者だけの関心ではない。企業や消費者にとって、国債金利は借入コストを示している。このコストが上昇すれば、弱い企業や債務の多い消費者は困難に陥る。政府にとっても金利の上昇は財政赤字ファイナンスすることがより困難になる。もし3%突破がさらなる金利上昇の前兆であるのなら、この先より困難が待ち受けているだろう。しかし、債券市場で大虐殺が起きることはありそうもない。
 債券金利が上昇基調にあることは驚くべきことではない。QE金融危機後に発動され、セキュラースタグネーションが唱えられた。
 しかし、昨年、世界経済は再び上向き始めた。中央銀行が金融刺激策を引き上げ、財政規律も緩み始めている。米国を先頭に先進国はターニングポイントを迎えている。減税策により、2020年以降の見通しで数兆ドルの財政赤字が見込まれている。
 国債市場にとって主要な脅威は歴史的にみると、高インフレであった。原油価格や労働市場のひっぱくはインフレを後押しする材料になっている。しかし、現在のところ、3%を超えるOECD諸国はトルコとメキシコのみである。
 債券金利の急速な上昇は、限定されそうだ。IMFは4月18日に、世界の対GDP比債務は従前より高い水準にあると警告した。借入コストがより高くなることで、成長を原則させるリスクがあるのだという。
 日本国債に対抗した戦略にかけるのは、未亡人をつくるようなまずい戦略として知られている。低金利時代が終わったと主張するのはまだ早い。経済指標は特に欧州で失望させるような内容である。そして、2年国債金利と10年国債金利の差も縮小している。イールドカーブがフラット化していることは、市場は金利上昇がピークに到達しつつあると信じている兆候である。
 https://www.economist.com/news/leaders/21741144-there-no-need-panic-about-government-bond-market-meaning-3-treasury-bond-yields