米国債について。大手投資家は債券投資にかけている。
大手の債券投資家は、米国債への投資にこだわっている。経済見通しに関する深い関心が誤っているというのだ。
ブラックロックやJPモルガンアセットマネジメントは、米国債の金利が上昇することに賭け続けている。当初はもっと金利が上昇するとみていたが、現実はそうなっていない。
ウォールストリートのアナリストらも、今年の年末には10年国債の金利は1.8%まで上昇するとみている。しかし、金曜日の国債金利はわずかに1.285%。価格は上昇している。
ブラックロックの債券ストラテジストは、再スタートが起きる、と話す。経済回復が続いているからだ。米国債の金利は現在の環境から考えても、非常に低いという。市場は経済見通しについて、あまりに悲観的になり過ぎているという見立てである。
このストラテジストのような見方は決して例外ではない。しかし、中央銀行による継続的な国債購入が、投資家の弱気の見通しと融合して現在の相場を形成する結果となっている。その結果、売り手がほとんどいない相場となっている。
今週の10年国債の利回りは1.13%まで沈んだ。ドイツの10年国債はマイナス0.44
%をつけた。
この金利指標をみる限りでは、リセッションの環境であるかのように見える。しかし、市場が経済の回復に懐疑的になっていることは事実である。ECBもFedも債券買い取りを続けるとコミットしている。
中央銀行の需要の強さにより、6月に市場に供給される国債は減少した。投資家の多くはここ数カ月のポジション形成に弱気になっているが、債券を売ってポジションを変更することに躊躇している。
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