6月のFOMC。記者会見のやり取り。
冒頭のパウエル議長発言。
今年の成長率見通しについて、参加者はSEPを見直した。それでも経済の回復は不完全であり、経済見通しのリスクは残っている。
経済は回復に向かっているが改善は不均等である。4月と5月の平均で雇用は41.9万人増えたが、コロナ前の水準に戻っていない。5月の失業率は5.8%にとどまる。失業の主には、特にサービスセクターで働く低賃金労働者やアフリカ系アメリカ人、ヒスパニックに重くのしかかっている。
インフレについて。ここ数カ月上昇している。テクニカル要因を除いても、経済回復に伴い、支出が増加したことによる物価上昇圧力がかかっている。供給にボトルネックが発生していることが大きい。今年、FOMCメンバーはインフレ見通しを上方修正した。
こうした一時的な供給要因が解決すれば、インフレは長期の目標に近づく形で低下していくだろう。インフレ率は今年3.4%だが、2022年は2.1%、2023年は2.2%と見通される。しかし、経済再開がうまくいかなければ、インフレはより高い水準になるかもしれない。
我々の金融政策に関する新しいフレームワークは、しっかりアンカーされたインフレ期待の重要性を強調している。もし実際のインフレ期待がわれわれのゴールを超えそうであれば、金融政策の姿勢を調整する準備がある。
政策金利については、現在の0%から0.25%のFFレートターゲットレンジを維持する。「for some time」までインフレ率が2%を超過するまで、この姿勢は続ける。
SEPで明らかなように、多くの参加者は以前の見通しよりも好ましい経済条件が前倒しされているとみている。
もう1つのキーワードである「substantial further progress」があるまでだが、これにはまだ道が遠く、参加者は改善は続くとみている。
冒頭質問はワシントンポスト。2023年の完全雇用まで、人々が労働市場に復帰する障害になっているものは何と考えているか。
パウエル議長。退職者が相当なかず、これから出ていく。さらに労働参加率の見通しも難しい。ただ、かなり高いレベルの水準に回復するとみている。もちろん、それには相当の時間がかかる。
https://www.federalreserve.gov/mediacenter/files/FOMCpresconf20210616.pdf