12月16日のFOMC後のパウエル記者会見。
冒頭発言で。本日、われわれは金利に関するフォワードガイダンスを再確認し、資産買い取りの追加ガイダンスを示した。同時に、経済回復が完了するまで力強くサポートし続ける。
経済活動の評価について。第2四半期のどん底から回復基調にある。第3四半期のGDP成長率は年率換算で33%だった。しかし、ここ数カ月間、回復ペースは穏やかになった。耐久消費財需要はコロナ前よりも上回っているが、サービス消費は低いままだ。
FOMCメンバーによる経済見通しは9月のSEPより上方修正された。そうであっても、全体的な経済活動は十分低い水準のままであるとした。
労働市場について。3~4月に失業した2200万人のうち、まだ半分以上が職を失ったままである。11月の雇用成長のペースは鈍った。失業率は依然として低下し続けているが、まだ6.7%と高どまったままである。ただ、先行きに関して、FOMC参加者らは、失業率は今後も低下し続けるとみている。
中心的な見通しは来年待つまでに5%まで低下し、2023年までに4%を下回るとみている。
ただ、経済の低迷は米国人すべてに等しく降りかかってくるわけではない。とくにサービス産業で仕事に従事している低賃金労働者にとって、経済低迷の影響は厳しく直撃している。アフリカ系アメリカ人やヒスパニック系アメリカ人への打撃は大きい。
コロナ危機はインフレ率についても大きな傷跡を残した。消費者物価指数は春に大きく下落した後、夏にかけて上向いたが、その水準は低いままだ。12カ月平均でみると、インフレ率は長期目標である2%を大きく下回ったままだ。FOMCメンバーによる中位見通しによると、今年は1.2%、来年は1.8%、そして2%に達するのは2023年になってからだ。
コロナウイルスの感染状況については、今後数カ月間の動向がカギを握るであろう。
今回のSEPでは新たに2つの図表を示した。今後の不確実性やリスクを示す参加者らの評価のバランスを示したものだ。
2%にアンカーされた長期のインフレ期待については、これが我々の雇用の最大化を達成する能力を規定する。インフレ目標については2%を緩やかに上回るまでこれらの目標を続ける。政策金利については、0~0.25%の水準を当面続ける。
国債買い取りについては、少なくとも毎月800億ドルを購入し続け、AMBSについては少なくとも毎月400億ドルの購入を続ける。
これらFFレートに関するフォワードガイダンスとバランスシートに関するガイダンスは相まって経済回復を進めるために高い緩和的効果をもたらす。
以前、協調したように、これらの緊急措置は貸付の力を持つのであって、消費させる力を持つのではない。Fedは特定の利益を与えるためにお金を与えることはできない。Fedができるのは、融資資金が返済されるとの期待をもとに、健全な借り手にローンをさせる幅広い基礎を作り上げることができるに過ぎない。もし、返済が困難な借り手へ資金を与えるのであれば、それは直接財政による支援が必要になる。
選挙で選ばれた人々が税金をかけ、それをもとに消費をし、我々や社会が必要な人々に関する決定を行う。
https://www.federalreserve.gov/mediacenter/files/FOMCpresconf20201216.pdf