英字紙ウォッチング

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高まるインフレ懸念

 曇り。

 インフレ懸念が高まり、株価は下げ基調に転じている。

 Fedのブレイナード理事やキャシー・ウッズ氏の発言が市場を揺らすことになった。

 株式市場全体としては幅広く下げが広がった一日だったが、テクノロジー株は安定してきた。再び浮上するインフレ懸念によって中央銀行が現在の緩和政策を見直すのか否か、投資家は注目している。

 ブルーチップ銘柄で構成されるS&P500指数は0.9%低下。Nasdaqは2%下げたが、終値は0.1%の下げで落ち着いた。

 アセットマネージャーのキャシー・ウッズ氏は火曜日に開催された月に1度のセミナーの中で、弱気が深まるマーケットの見通しを退けた。ウッズ氏いわく、彼女の運用する資産は過去5年間、大きな下げに何度も耐え抜いてきた、という。

 長期のパフォーマンスは、下げ局面で何をするかで決まるという。

 2月にピークをつけた後、ウッズ氏の率いるアーク・イノベーションファンドは、およそ3分の1ほど下げた。中でもテスラの下げがきつかった。もしインフレが継続し、さらなる金利上昇が見込まれるのであれば、特に急成長するテクノロジー株にマイナスの影響を与えることになりそうだ。

 火曜日には、多くの商品価格の急騰をウッズ氏は予想した。商品価格の動きは、投資家のインフレ懸念を掻き立てている。

 一方、インフレ上昇と雇用の回復を反映し、Fed幹部は粘り強く金融政策を続けていくと述べ、投資家を安心させた。ブレイナード氏はインフレは一時的に上昇しているだけでいずれ減じていくと述べ、サプライチェーンの需給バランスの悪さや労働市場の需給はいずれ改善されていくという。

 水曜日に発表される予定の消費者物価指数は4月に3.6%上昇すると見込まれている。中国の工場出荷価格が上昇し、コスト上昇圧力も高まっている。ウォールストリートの企業の間でインフレーションへの言及も増えている。商品市況も上昇しており、木材から鉄鋼まで上昇している。

 https://www.ft.com/content/fd3abbb8-955a-46b3-bc45-9a4fb7b95265

 投資家はドイツ国債の売りに転じている。長らく欧州の究極の安全資産とされてきたが、ある投資家はドイツ国債の売りにかけ始めている。何十年にもわたる安全資産の地位は終わりを向けようとしている。

 ドイツ国債は欧州市場の基礎であり、大陸欧州の金融資産の価格を決めるベンチマークであり続けてきた。ギリシャ債務危機に始まり、今回のコロナ危機に至るまで、ドイツ国債の利回りは消滅した。10年ドイツ国債金利は2016年に世界で初めてマイナス利回りとなった。その後2年以上、プラス領域に復帰することはなかった。

 https://www.ft.com/content/55652735-2ccb-46b8-a3e3-83b7f0770e15