曇り。
イエレン財務長官が国際的な最低法人税率を設けるよう提言を行った。米国の国際的な経済政策におけるリーダーシップが発揮され始めたといえる。
米国のイエレン財務長官はワシントンで、他国に対してグローバルな最低法人税率を設けるよう呼びかけた。
グローバルミニマムタックスである。
多国籍企業が活動するうえで、税率の面で平等性を確保しようという試みである。その結果、イノベーションや成長、繁栄が促されると主張している。月曜日にシカゴ国際問題評議会で述べた。
イエレン氏の発言はIMFと世銀の春季カンファレンスを前に行われたものだ。バイデン政権としても、租税回避やタックスシェルターの隙間を埋める試みである。
ホワイトハウスは先週、2兆㌦を超えるインフラ投資計画を公表した。クリーンエネルギーも推進する。これらの資金を賄うために、今より高い法人税率が想定されている。国際的な最低法人税率の提案は、こうした増税によって他国へ利益をシフトする動きを封じ込める狙いもある。
政府の役割は必要不可欠な公的資産に投資するために、十分な歳入を得る税制を構築することであると強調した。
米国は今年の夏までにOECDにおいてデジタル税制について多国間の合意をすべく活動を始めている。しかし、今回のイエレン提案はG20のみならず、より幅広い合意を必要とする。
イエレン氏は国際的な法人税に目を向けているが、バイデン政権としては国内でより大きなチャレンジに直面している。具体的には現在10.5%の法人税率を21%に倍増させる必要がある。
当然といえば当然だが、共和党は法人税引き上げに反対している。民主党議員からも、バイデン政権の法人税改革はアグレッシブすぎると批判している。バイデン政権は現在21%の法人税を28パーセントに引き上げる計画だが、25%で十分だとしている。
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