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地方選挙で大敗したドイツCDU

 晴れ。

 ドイツの地方選挙で与党のCDUが大敗した。過去最悪の敗北と伝えられている。国政選挙を前にして、ポストメルケルの新しい党首への圧力が高まっている。

 メルケル首相率いるCDUが地方選挙で有権者による強い怒りの標的となった。コロナ対策への不満と、CDU議員の汚職に対する怒りがさく裂した。バーデン・ビュルデンブルク州の南西部の地方選挙では、緑の党に遠く及ばず、24パーセントの得票率となった。

 さらに、西部のラインラント州では社会民主党に敗北し、27パーセントの得票率だった。

 この結果は新しいCDUの党首、ラシェット氏にとって手厳しい結果となった。ラシェット氏は中道右派の後継者として9月の国政選挙に打って出る予定だった。多くの保守党員は、ラシェット氏の代わりにCSUのゼーダー氏が出るべきだと考えているようだ。

 「これはCDUにとって災厄のような結果である」との声が内部から出ている。この10年間で徐々に支持を失ったのはなぜか、考える必要があるという。

 ここ数週間、世論のCDUに対する目は厳しくなっていた。特にCDUの2人の閣僚への批判は厳しかった。コロナ担当の健康大臣と、企業向け支援策の遅れを非難された経済大臣に対する批判だ。

 こうしたCDUの凋落は緑の党にとって朗報である。同党はバーデン・ビュルデンブルク州において勝利し、32%もの得票を得る見通しである。日曜日の選挙結果により、「緑と黒の同盟」、すなわちCDUとの連立政権が現実味を帯び始めている。

 だが、緑の党はもう一つの選択肢を得た。それはSPDと、より企業寄りの自民党との連立政権だ。SPDとしても国政の連立スタイルとして、この緑の党との連立を選択しに入れている。

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