英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

Fedのシグナル

 朝から雨。
 WSJより。Fedは金融政策を現状維持とした。
 Fedは利上げについて、当面は「Wait & see」作戦を続ける模様だ。インフレ率や世界経済の動向について、良い材料、悪い材料あわせた状況が続いている。
 声明文をみる限り、Fedが6月の次回FOMCで利上げに踏み切るのか、不確かなままだった。
 経済の活動が減速しているのに、労働市場は一層改善した、と評価している。一方、実質所得は上昇し、消費者センチメントも改善しているのに、家計消費支出は減速した、と分析されている。
 今後6月のFOMCまでに2カ月があり、インフレ率や雇用統計の発表、第1四半期のGDP統計の発表を控えている。そして、次回FOMCの1週間後には英国の国民投票が予定されている。
 このところ、年初来の混乱は落ち着きを見せている。中国経済の減速懸念は後退し、原油価格の下落も落ち着いた。ドルは弱含み、株価は年初の下落を回復している。
 しかし、米国経済の拡大は減速しつつある。四半期GDPの推移をみると、昨年第2四半期は3・9%だったのに、その後、2%、1・4%とだんだん落ちている。今年第1四半期の予測はわずか0・6%成長だ。
 インフレ率もFedが目標とする2%には遠い。足元1月は1・2%のインフレ率であり、2月は1%だった。
 http://www.wsj.com/articles/fed-stands-pat-signals-no-hurry-to-raise-rates-in-weeks-ahead-1461780364
 コチャラコタ氏の投稿である。米国はもっと政府債務を増やすべきだという。
 米国は他国よりも大きな所得を得ており、連邦政府はこうした所得に税をかけ、大きな収入を得ることができた。では、連邦政府はどのように影響力を行使してきたのだろうか。
 こたえは十分に行使していない、というものだ。
 米国債の利回りは歴史的にみて低水準に沈んでおり、このことは、米国債の需要に対し、供給が不十分であることを意味している。言葉を変えれば、世界は安全資産をもっと必要としている。
 http://www.bloombergview.com/articles/2016-04-27/the-world-needs-more-u-s-government-debt-narayana-kocherlakota