英字紙ウォッチング

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深い穴の中の米国経済

 雨。

 米国株は大幅下落。Fed幹部の発言を受けて、反応した。

 米国株はとくにテクノロジー株が主導して下げた。経済回復を支援する新しい刺激策で議会が合意する必要があるとFed高官が発言したことを受けた流れである。

 S6P500指数は2.4%の下落。8月の高値からすでに9%以上下げた水準にある。Nasdaqは3%の下落。これは8月の高値から12%低い水準である。

 テスラは10%下落した。イーロン・マスク氏は車のバッテリーのコストを半分にすることを約束したが、同時に新しいテクノロジーで生産を大規模化させることは非常に難しいと述べた。アップルやアルファベットも3%以上下落した。

 株式市場の再調整は、Fed高官が複数登場して、財政面での追加刺激策を求める発言を行ったことから生じている。

 パウエル議長は、議会に対する経済回復のサポートを議論するよう求めた。シカゴ連銀のエバンズ総裁、クラリダ副総裁もブルームバーグテレビで経済は力強く回復しているが、まだ深い穴の中にいる、と述べた。

 コロナウイルスの第2波への警戒感も高まっている。感染拡大を止めるため地方に限定したロックダウンもありうる。いずれにせよ、米国経済の回復を麻痺させるようなものはすべて、株式市場を不安定にすると受け止められている。

 ある投資ストラテジストは、米国株はどちらの方向に向けても波立つと述べた。つまり、急速に経済が再開するとの段階は終わり、次に何が起こるのかわからない、というのだ。

 神経質になった投資家は安全資産を求め、米ドルに向かっている。

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