曇り。
米国の原油価格がついにマイナスとなった。歴史的な価格低迷の後の出来事である。
コロナウイルスが世界経済を直撃しており、原油の需要水準に対する懸念が依然として継続している。
米国の原油価格は火曜日についにゼロを下回った。マイナスの価格は史上初めてのことだ。コロナウイルスが世界のエネルギー需要を破壊したことを受けている。
WTIの5月限の価格はマイナス4.29ドルで取引されて始まった。これは何を意味するかというと、生産者は買い手にお金を払う必要があることだ。月曜日の取引はマイナス37ドルで引けた。しかし、いったんゼロドル以上まで戻した後、再びマイナス領域に戻った。
マイナスの原油価格は原油部門の危機を象徴している。原油の需要が3分の1にまで落ち込んでいるからだ。
ただし、この原油価格の下落は市場のテクニカルな要因に基づくものだ。デリバリーポイントで原油を貯蔵する能力が不足しているため、トレーダーが受け渡し契約を解除しているせいだ。
マーケットの関心はすでにWTIの6月渡しの契約に移っている。この傾向が続くかどうかである。というのも、この受け渡しの問題は今の供給環境を考えると、来月も続きそうだからだ。
欧州の朝の取引時間によると、6月渡しの契約は1%上昇し、20.64ドルで取引されている。旅行の禁止やロックダウンが緩和されれば、最悪の需要の状態が終わるからだ。しかし、トレーダーらは回復には時間がかかるとみている。
https://www.ft.com/content/26ea5ef9-0619-4e50-b605-58e36d3fc4d9
この記事は、マイナス原油価格が米国の原油産業にとってもたらす意味について解説している。
ベンチマークとなる米国の原油価格はマイナス領域で取引された。史上初のことである。しかし、マイナス原油価格はより幅広く産業にとってどのようなことを意味しているのか。
CMEで取引されるWTIの先物契約は、その契約月に実際に原油を受け渡ししなければならない。すなわち、実際の取引にリンクしたデリバティブ取引なのだ。
通常であれば、こうした事故やドラマなしに受け渡しが行われる。しかし、月曜日は異なった。オクラホマのクッシングにおける受け渡し場所で、原油の倉庫が不足したのだ。それにより、トレーダーらがパニックになり、原油を吐き出そうとし始めた。売りが加速した格好だ。
原油需要が急速に弱まったため、5月渡しの原油引き取り倉庫が満杯になった。クッシングでは7610万バレルの保管能力があるが、4月10日時点で72%が埋まっていた。
https://www.ft.com/content/88997d67-bf69-409e-8155-911fc1f2fd6f