英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

過去最大級の原油減産

 晴れ。

 G20が過去最大級の供給削減で合意した。

 米国とG20は金曜日、エネルギー産業を守るために必要なあらゆる手段をとる、ということで合意した。コロナウイルスの拡大で産業が不安定になっていることに対応したものだ。OPECとロシアが合意した大胆な減産合意に国際的なお墨付きを与えるものだ。

 原油需要はおよそ3分の1に落ち込んでいる。世界の主要国がウイルスの感染拡大を抑え込むため、シャットダウンを続けているからだ。その結果、原油価格は18年ぶりの低水準に沈んでいる。エネルギーセクターの雇用は数百万人規模に及び、供給面で長期的にはダメージを与える可能性がある。

 金曜日の朝早く、サウジアラビアとロシアが日量1000万バレルの減産で合意に至った。これは過去にない規模の減産である。

 しかし、減産合意の確認はメキシコの反対で延期となった。サウジがOPECプラスのメンバーすべてに、平等に減産を求めることに反対したのだ。

 米国とロシア、サウジの3か国は世界トップ3の産油国だが、この減産合意をそろって支持した。米国のトランプ大統領は、米国は減産合意をスムーズに進めるためにメキシコを支援すると述べた。

 G20会合のコミュニケは、メンバー各国は必要なあらゆる手段をとることで合意した、と述べた。

 サウジ国営メディアによると、サウジアラビアのムハマド・ビン・サルマン皇太子はロシアのプーチン大統領と金曜日夕方に会談し、産油国同士の協調の重要性を確認したという。

 こうした動きはコロナウイルスに直面した世界経済を活性化させるための動きである。ウイルスの「ショックウェイブ」は世界経済を襲い、原油価格の暴落という形で世界経済の安定性を脅かすおそれがある。

 今回のG20の支持を取り付けたのは、トランプ大統領による外交上の勝利である。サウジとロシアを説得し、エネルギー市場の危機を抑え込んだためだ。トランプ氏は木曜日と金曜日に、サルマン皇太子とプーチン大統領と会談し、もし合意に至らなければサウジとロシアの原油販売に関税をかけると脅した。

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