利回りを求める投資家の資金は、米国のサブプライム自動車ローンに流れ込んでいる。
個人消費が弱くなり、延滞が増えているのにも関わらず、ABS市場は活況を呈している。リスクのある米国の自動車ローンを原資産にした証券化商品市場がブームとなっている。自動車販売の状況が芳しくないにも関わらず、今年のABSの発行額は2018年を上回るペースで推移している。
こうした活況の背景にあるのは、政府の国債に対するスプレッドが小さくなっているからだ。ABSのダブルAとトリプルBのスプレッド格差は、90ベーシスを下回っている。
強気になっている投資家やアナリストは、失業率の低さや賃金の上昇具合、低い家計のレバレッジなどを挙げて、サブプライム部門の健全さの証拠としている。
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