曇り。
アメリカのイールドカーブがスティープ化ししている。Fedがハト派に傾き、イールドカーブはスティープ化している。
投資家から神経質に観察の対象になっているイールドカーブが、3年以内の年限でスティープ化した。Fedの利下げにより、米国経済の成長が維持されるとの楽観論が背景にある。
3か月と10年の国債金利差は、これまで逆イールド状態にあったが、金曜日に一時的にプラスに転じた。取引終了時には1.6ベーシスのマイナスに転じたが、今週初めには19ベーシスのマイナスだった。
一方、今週の米国株相場は0.8%上昇した。Fedがハト派に転じ、これ以上米国経済が停滞しないという安心感につながっている。
Fedのパウウェル議長は今週、Fedとしては次の金融政策決定会合において利下げを行う可能性があることをはっきりと示唆した。イールドカーブが示す楽観論が広がるにも関わらず、一部の投資家は警戒感を依然として持っている。製造業の指標やインフレ期待に弱さがあるためだ。
マーケットが示すインフレ期待は1.78%であり、Fedが目標とする2%のターゲットには到達していない。
投資家は、7月末の会合で、Fedが金利を据え置く可能性をゼロとみなしている。市場の見立てでは、81%の確率で25ベーシスの利下げを行うとみている。
一方、別の投資家は、Fedの動きは力強い米国経済指標をみると、正当化されないとみている。経済に反応して利下げするというより、マーケットのメルトダウンを防ぐための利下げである。
https://www.ft.com/content/c15a3700-a4ea-11e9-974c-ad1c6ab5efd1
債券自警団のお話。Fedは市場のいじめの犠牲者となったのか。
債券市場のいじめの対象は今や、Fedに移っている。
トレーダーらは現在、米国の中央銀行が今月の会合で利下げすることに賭けている。疑いが仮に残っていたとしても、パウウェル議長が水曜日に発言したことで、それは退けられた。
議長は世界の主要国における低インフレと世界経済の見通しが後退していることにフォーカスしたからだ。
しかし、最新の米国の経済指標をみる限り、金融緩和の見通しはまだわからない。金融市場はこの6か月間、Fedの戦略変更で2回ほど驚かされた。最初は利上げサイクルをあきらめたこと。そして、緩和サイクルに転じたことだ。
市場やFedが直面している根本的な疑問は、マーケットが本当に正しいのかどうかということだ。マーケット市場が示すメッセージははっきりしている。2020年までに4回の利上げがあるという、昨年の見通しをすべてご破算にしたことだ。
https://www.ft.com/content/a77e81e8-a403-11e9-974c-ad1c6ab5efd1