英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

「ユーロ」という過ち

 晴れ。

 アメリカ株が高値を更新した。米中貿易交渉についての楽観論が広がったことと、企業業績が堅調であることが株高を後押しした。

 S&P指数は0.4%上昇した。先週の高値を更新している。

 ウィルバー・ロス商務長官が日曜日、中国との貿易交渉の最初の障害は間もなく克服できるだろう、という楽観的見通しを語ったことで、市場は動いた。今月、米中双方の首脳が再び会談することも予定されているという。

 貿易交渉に関するバラ色の見通しと、世界中の中央銀行の緩和姿勢が、株式相場に新たな活力を注入している。ゴールドマンサックスのアナリストは、これ以上、関税は引き上げられることはない、とのメモを残している。

 月曜日の株高は、米国の10月の雇用統計が予想よりも良かったことも後押ししている。製造業の成長が減速することにより、消費者支出や企業の雇用を妨げるとの予想を打ち消す内容だった。

 https://www.ft.com/content/db1afa46-fe9d-11e9-b7bc-f3fa4e77dd47

 ハンガリー中欧銀行総裁が、ユーロは過ちだったと認める必要があると主張している。

 ユーロから逃れる道を模索する時期がきている。ユーロが、西欧を統合する通常の次のステップであるという主張は、有害なドグマである。欧州共通通貨は決して通常のものではないからだ。

 ユーロがスタートして20年が経過した。共通の国家、ユーロ圏のGDPの最低15~20パーセントに相当する予算などの必要条件は依然として満たされていない。

 我々はこうした共通通貨を創造するに際しての誤ったアドバイスの根っこにあるものを見落としている。ドイツの力が勃興するに伴い、「ドイツのヨーロッパ」を回避するための仕組みだったのだ。

 https://www.ft.com/content/35b27568-f734-11e9-bbe1-4db3476c5ff0