台風一過。晴れ。
トランプ大統領が中東政策をシフトさせたことで、同盟国を不安にさせている。
トルコ軍がシリア北部に今週、侵攻したことをトランプ大統領が驚くべきことに容認したことが、アメリカの同盟国を揺さぶっている。それは忠実なパートナーの裏切りというだけではない。トランプ氏が予測不可能であるという点だ。
トランプ氏に整合性がないこと、そして、急速に中東政策のポジションを変えることが、ただでさえ不安定な中東地域の混乱に新たな要素をもたらしている。
従来のアメリカの政策担当者は、緊張に対する姿勢は明確だった。しかし、トランプ氏はすべてにおいて感情的であり、予測が不可能である。
そのことで、アメリカがどこまで中東にコミットし続けるのか、その耐久性も問われている。
アメリカの歴代大統領はほぼ15年間にわたり、中東地域のプレゼンスを減らす、と言い続けてきた。そして、そのことがアメリカの保護を必要とするイスラエルやペルシア湾岸の王国を不安にさせてきた。
しかし、トランプ氏のようなスピードや即興で主要な外交政策を決める大統領は初めてだ。同盟国は、警告なしに中東地域から撤退する可能性を感じている。
トランプ氏がエルドガン大統領と電話で話しただけで、トルコ軍によるクルド勢力による虐殺の道を開いた。
イランに対する姿勢も同様だ。イラン向けの軍事行動の準備ができたといいつつ、最後の数分間でミサイル攻撃をあきらめた。サウジとイスラエルは、アメリカがいうイラン封じ込め政策の約束を再評価しつつある。
アメリカの中東政策がジグザグすることで、ロシアの影響力をこの地域に呼び込むことにもなりかねない。
トランプ氏はこの地域にガソリンを注ぎ込んでいるのだ。
シリア北部にアメリカ軍が駐留することで、ISISと戦うにあたって最も重要な同盟相手だったクルド軍に、安全地帯を提供することができた。