米国の景気拡大はそうはいっても、史上最長を記録しようとしている。何が景気を腰折れさせるのだろうか。
7月の終わりには米国経済は121カ月連続の景気拡大となる。1854年以降の数字としては最長記録である。歴史が示すところによると、景気後退は間もなくである。多くの人々の気分は重い。債券市場は警告を発し、長期の金利は短期金利と逆転した。
ただ、株式市場は依然として強気である。今年に入り、19パーセントも上昇した。雇用統計も22万人を超える新規雇用を生み出しており、雇用を生み出し続けるのに必要な数の2倍に達している。
米国経済は世界の経済の4分の1を占めており、もし米国がこければ、世界もそうなることを意味している。
世界経済は変化している。成長の源泉はサービスや無形資産に移り、経済成長がゆっくりとしているが、安定したものになっている。まだ記憶に残るバブルのせいで、不動産向け貸し出しが荒くなっている兆候もない。
しかし、変化がある分、終わりもこれまでとは異なったものになりそうだ。過去のリセッションはほぼ住宅バブルによって引き起こされた。しかし、今回は、世界の企業や金融がグローバルにつながっていることを懸念すべきである。
危機後の今回の景気拡大期における平均的なGDP成長率は2.3%に過ぎない。過去3回の米国の景気拡大期は3.6%だった。
https://www.economist.com/leaders/2019/07/11/americas-expansion-is-now-the-longest-on-record