薄曇り。
関税はやはり経済に影響を与えつつある。メキシコに対する関税は以前であればペナルティを回避できていた多くの製品を直撃しそうだ。
自動車製品や原油、野菜などは中国からの輸入はなくなりそうだ。
トランプ大統領はメキシコに対し、同国の3600億ドル分の製品に対し、関税を課すると表明した。6月10日開始予定の関税は5%相当で、メキシコからのすべての輸入に課せられる。
そして、この関税は毎月5%ポイントずつ引き上げられ、10月までに25%に達する。それはメキシコが米国との国境に移民を送り込む数を減らさない場合だ。
関税によって乗用車やバス、トラック、原油、それに果物や野菜に影響を与える。もしこれが実行されれば、トランプ政権としてはもっとも劇的な動きになろう。
メキシコは2018年において、米国にとって3番目に大きな貿易相手国である。1位は中国、2位はカナダだ。関税はメキシコ経済に潜在的に大きな影響を与えうる。
FTより。
メキシコへの関税は産業界や政界に衝撃を与えている。北米経済が大混乱に陥る可能性がある。
トランプ大統領によるメキシコへの関税引き上げ計画は、党派を超えた政治的反発を呼び起こし、産業界は法廷闘争の可能性を模索している。それは米国、メキシコ双方からそうした懸念が出ている。
米国で最大のロビー団体である米国商工会議所の幹部らは、トランプ氏による動きはメキシコとカナダと結んだNAFTAに代わる合意を麻痺させることになると述べた。同時に、関税を止める法的な手段を探していると述べた。
全米製造業協会の代表は金曜日に、貿易問題と移民問題を混同することは、必ず苦しみをもたらす「政策のモロトフカクテル」だ、と警告した。
トランプ氏提案の関税は米国の製造業のみならず、消費者にも甚大な結果をもたらすと述べた。
メキシコでも産業界のロビー団体幹部がラジオインタビューに答え、関税は非常に大きな後退である、と述べた。
混乱はトランプ氏の予想できない動きによって増幅された。ワシントンとメキシコシティの間え移民をめぐる緊張はくすぶっているが、米国の大統領がこの種の関税戦争を持ち込むとは誰も思ってもみなかったからだ。
木曜日に明らかになった計画によると、ホワイトハウスは6月10日からメキシコ製品に対して5%の関税を課す。そして、メキシコが移民を封じ込める十分な行動をとっていないと米国が判断すれば、この関税率は10月までに25%まで引き上げられるという。
メキシコにとってもこれは想定外の動きで、メキシコ政府はつい最近、メキシコ上院に、米国・カナダ・メキシコ貿易協定の批准を求めて送付したばかりだった。歴史上最良の貿易協定だったのに、トランプ氏は突然それを投げ出した。
話し合いを進めるために、メキシコ大統領は外務大臣をワシントンへ派遣した。外務大臣はツイートで、すでにポンペオ国務長官らと電話で話をしたとつぶやいた。
産業界の混乱に伴い、ホワイトハウスのアドバイザー、ナバロ氏は怒りを封じ込めようとしている。これは関税戦争ではなく、メキシコに本来すべきことをさせるための手段である、と述べた。
新しい政策は政権内部に亀裂ももたらしている。ライトハイザー氏率いるUSTRは声明の発表に追い込まれた。
メキシコ大統領の反応は注意深いものだ。このような突然の関税にも関わらず、新NAFTAの批准プロセスは進めると主張した。
突然の動きは議会でも早速激しい批判を引き起こした。関税は危険でリスクの高い経済ツールだ、という。
https://www.ft.com/content/279e9c68-83b7-11e9-b592-5fe435b57a3b