英字紙ウォッチング

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トルコ通貨危機

 曇り。
 トルコ問題の続報。トランプ氏の関税引き上げ決定は、リラ相場の下落に対する反応だったと分析されている。トランプ氏の反応がトルコ通貨危機を増幅している。米国はこれまで伝統的に、金融的混乱に巻き込まれた新興国市場を何とかコントロールしようとしてきたが、そうした行動様式から決別した。投資家の懸念が世界市場に伝染しないようにしてきたが、トランプ氏はアンカラ政府をより苦しめようと試みている。
 トランプ政権幹部はトランプ氏の意図について明らかにしていない。
 トルコは米国人牧師を拘束しているが、今回の関税措置はこの問題とは直接関係はない、としている。しかし、トルコだけがなぜ関税を二倍にされるのか、説明はない。トランプ氏のツイートを読む限り、関税とはまったく関係のない米国の外交的目標に対し、関税引き上げという制裁が科されているように見える。
 クレディスイスの通貨ストラテジストによると、過去30年間、アジア通貨危機やメキシコペソ危機など、幾度も通貨危機があったが、その際米国は何とか為替市場の極端な変動を抑えようと努力してきた。しかし、今後マーケットは米国に対し、もはやそのような期待は抱かないだろう、と述べている。
 新興国市場にとって、為替市場崩壊は非常に危険な出来事である。とくにドル建てで巨額の借り入れを行っている場合は、通貨下落によって外貨建ての返済負担が重くなる。
 しかし、トランプ大統領は長らく休眠状態だった、禁輸などの政策を復活させた。そうした政策は世界の貿易システムを危険にさらすという警告をはねのけて、だ。
 https://www.wsj.com/articles/in-break-from-precedent-trump-seeks-to-aggravate-turkeys-currency-crisis-not-calm-it-1534003201?mod=hp_lead_pos1