英字紙ウォッチング

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取り残される米国の地銀

 雨。

 アメリカでは、ハイテクサービスについていけない地方都市の銀行が問題になっている。消費者は、オンラインでサービスを提供しているより大きな銀行に口座を移しつつあるという。地方銀行はこうした競争に取り残されつつある。

 冒頭語られるのは、バンカメから唯一の支店を買い取ったデラウェア郡の地方コミュニティ銀行から、4時間も並んで預金の半分を引き出す人々の姿だ。そして、このコミュニティ銀行自身が自らをファイアーセールの値段で売りに出された。

 大手の米銀はここ数年、人口が集中し、より豊かな人々が住んでいる米国の大都市に経営のフォーカスを当て、利益を増加させている。一方、地方のコミュニティバンクはこうした動きに遅れを取り、そのギャップを埋めるべく努力を進めている。

 1億㌦以下の資産規模がある米銀は4600あり、すべての銀行資産の6.6%を占めている。30年前までは、この比率は31.5%だった。この30年でこうした銀行は1万1000以上も消滅した。大半は合併による消滅である。地方の郡でこうした銀行がない地域は3分の1に上る。

 こうした銀行は、バンカメが地方から撤退するとの方針を決めたとき、ユニークなビジネスのチャンスがあった。しかし、テクノロジーが銀行業界をすっかり淘汰してしまった。預金や送金でデジタル技術が使えるようになり、住む地域に銀行がある必要がなくなっているのだ。

 https://www.wsj.com/articles/the-problem-for-small-town-banks-people-want-high-tech-services-11551502885?mod=hp_lead_pos1