英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

イタリアとの対立

 イタリアとEUとの緊張が高まっている。難民や経済をめぐる対立が焦点になっている。エコノミストより。
 イタリア人が太陽でいっぱいの海岸のバカンスを終え、都市に戻ってきたころ、約束していた数々のことが難しくなる秋となりそうだ。北アフリカからやってきた難民の処遇をどうするか、不振を極めるイタリア経済にどう対処するのか、EUとの衝突は避けられそうにない。
 その一つが、イタリア内務大臣がイタリアの沿岸警備隊の船の中で、1週間以上、100人以上の難民申請者を船の中においておいた。進展なく終わったブリュッセルでの会合後、イタリアのキリスト教教会はより幅広い取引を仲介することを申し出た。ほとんどのイタリアへの難民はカトリック教会の支援のもとに入国し、その後アイルランドアルバニアへ向かっている。
 ハンガリーのオルバン首相が盟友である、このイタリア内務大臣は今秋後半、EU全体で反移民政策を展開する計画を練った。彼らはフランスのマクロン大統領を中心とする中道派に挑んでいる。そして、彼らのことを親移民派と批判しようとしている。
 イタリア内務大臣いわく、現在は欧州にとって歴史的な転換点にある、というのだ。
 しかし、内務大臣は当初、登場したときよりは複雑な状況に置かれている。彼は五つ星運動と同盟を組んでいる。その五つ星運動内部がイデオロギーで内部分裂しそうなのだ。
 移民問題は、既存のEU秩序にとって、大きなチャレンジである。8月27日、イタリアは、もし移民問題で要求が満たされないなら、EUの次の7か年予算への資金拠出を引き上げると脅した。その翌日には2019年に予算がユーロ圏のルールで上限が定められている財政赤字3%以内、という基準が満たされないかもしれないと示唆した。
 このことが市場を揺さぶっている。それは、イタリア政府がお金のかかる3つの支出を導入するかもしれないからだ。貧困層への所得支援や所得税減税、年金改革の先送りだ。
 財政赤字が巨額となり、イタリアの公的債務比率は130%に達している。
 https://www.economist.com/europe/2018/08/29/tensions-rise-between-italy-and-the-eu