エコノミスト最新号のカバーストーリーは、金正恩。北朝鮮と交渉するにあたって、トランプ氏は演出術をまず第一に考えた。今回の米朝会談で勝利したのは実質よりも見栄えであった。そして、トランプ氏は何ら見返りなく、大きな妥協をしてしまった。
トランプ氏は金正恩氏と会談して、完全な非核化を約束するのと引き換えに、体制の安全保障を約束した。それはトランプ氏が記者会見でいわく、世界の歴史上、非常に偉大な瞬間である、という。
歴史は繰り返す傾向がある。北朝鮮は過去30年間、何度も何度も非核化を約束してきた。もし今回のシンガポールでの調印が異なるというのであれば、米国は非常にはっきりした目で、核体制の詳細を検証していく必要があるだろう。
しかし、残念なことに、トランプ氏の関心は、意味のある取引を行うことだけでなく、米国のアジアにおけるポジションが脅かされているというのに、支持率の話ばかりに興味があるようだ。
今回の会談でただ一つ良いことは、お互いに会って会談したことだ。戦争はテーブルの外で行われる。
https://www.economist.com/leaders/2018/06/16/dealing-with-north-korea-trump-puts-showmanship-first