トランプ大統領のことを市場は見放しつつあるのだろうか。選挙後、強気市場は変化するのか。
2016年11月にトランプ大統領が勝利したとき、米国の株式市場は7パーセント下落した。しかしその後、マーケットは滑らかに視点を変え、財政拡大のメリットに目を向けた。そして、株価は上昇に転じた。
この強気市場は砂糖で甘くまぶしてハイになった状態ではない。米国の経済成長の力強さを根拠にしたものだ。そして、このファンダメンタルズの力強さは、前任のオバマ大統領時代から引き継がれたものだ。法人税減税やFRB理事の健全な任命がこうした基礎を形作った。
10月の株価調整が示唆しているのは、マーケットの雰囲気が変化しつつあることだ。一つの重要な関心は、中間選挙後、米国政治がより市場フレンドリーでなくなる可能性だ。新たな政治リスクとは何であろうか。
米政治サイトのファイブ・サーティ・エイトによると、上院では8割の確率で共和党が勝利しそうだ。それゆえ最大の焦点は下院で民主党が過半数を奪回できるか。同サイトによると、86%の確率で民主党が勝利しそうだという。ワシントンの膠着状態は、市場が予測する結果である。
中間選挙後、さらなる財政リフレが起きるのか、も焦点である。リフレーション2.0というべきか。リフレ1.0により、2020年代の財政赤字はGDP比で7パーセント近くまで拡大する見通しである。構造赤字がこの水準まで拡大するのは前例がない。
一方、大統領とFRBの関係は、2年間の蜜月後、悪化の一途をたどっている。投資家らは、ホワイトハウスがFedいじめを始めるのではないかと気をもんでいる。
https://www.ft.com/content/428322d0-d780-11e8-a854-33d6f82e62f8