英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ブレグジットとFed

 ブレグジットによって、Fedの金融政策に関するかじ取りは一層難しくなった。ブレグジットは米国経済を揺るがし、影響力も揺さぶることになる。一つはドル高の進行、そして輸出が減少し、欧州に対する外交力も弱まる。
 移り気な投資家たちは英国を離れ、米国の安全資産に資金を移している。その結果、英ポンドとユーロは下落し、ドル高をもたらした。これは米国の輸出産業にとって悪い材料となる。
 ブレグジットの優勢が伝えられるにつれ、英国ポンドは過去30年間で対ドルでもっとも低い水準をつけた。日本の円に対しては15パーセントも下げた。
 2008年の世界金融危機のときと同曜日、Fedはドルスワップを通じて資金供給の準備があると述べた。
 これでFedは来年にかけての利上げシナリオの修正を迫られる。
 また、英国は今後、EUと難しい決定を下す際に、英国はその決定の席につけないということを意味する。
 http://www.wsj.com/articles/brexit-expected-to-rattle-u-s-economy-shake-its-influence-1466785341
 ヒルゼンラス記者の分析である。市場の混乱とドル高によって、Fedの今後のかじ取りが一層難しくなったと述べている。今後数か月の会合において、利上げを選ぶ可能性はほとんどなくなった。
 グローバル市場の混乱が伝播する一番深刻なチャネルは、ドル高ルートである。ドル高が進めば、中国人民元安を引き起こす。過去の経験からすると、人民元安は市場のボラティリティを高める一番のソースである。
 リスク回避的な中央銀行家であるイエレン議長からすると、確実に利上げに踏み込みにくくなるだろう。
 http://www.wsj.com/articles/hilsenraths-take-brexit-vote-means-more-fed-delay-1466772173