英字紙ウォッチング

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米中利上げ

 Duy教授。今年の利上げは4回である、と。
 FOMCを前に、ドットの変更見通しを示している。
 今日から2日間にわたるFOMCが始まった。会合の結果はもはや議論にはならない。25basisポイントの上昇が幅広く期待されている。今やもっと重要なのは、Fedが声明文や記者会見、ドットチャートで送り出すメッセージだ。
 私が期待するのは、ビハインド・ザ・カーブに陥らないという考えを強調する一方、経済の見通しに自信を示すという全般的なメッセージである。そうなれば、ゆっくりとしたペースで金融引き締めを行う余地をFedに与えるだろう。
 私は今年4回の利上げを見通している。
 http://economistsview.typepad.com/timduy/2017/03/shifting-dots.html
 米中の金融政策の違いについて。ともに利上げを志向しているが、その理由は非常に異なっている。しかし、双方の動きは密接に絡み合っているとも指摘している。
 米国においては、明るい経済指標の結果がFedの利上げの動きの追い風になっている。賃金は上昇し、失業率は減少している。
 一方の中国では、中央銀行幹部は資産バブルを懸念している。金融危機後、安価な大量のマネーが株式や債券、それを通じて不動産などに流れ込んでいるからだ。中国人民銀行は、2017年の最優先課題として信用の引き締めを挙げている。
 しかし、中国と比べて米国の中央銀行には余裕がある。米国が利上げすると、対中国でドル高が生じ、中国からの資本流出が加速しかねない。中国政府は2014年半ば以降、保有するおよそ4分の1の外貨準備を使って、人民元の下落スパイラルを食い止めてきた。
 今週のFedの利上げは中国人民銀行に引き締めの圧力をかけることになる。
 中国国内では金融引き締めがすでに始まっている。ベンチマークとなる10年国債は3・486%に上昇している。これに対応し、中国企業はオフショアでの資金調達に向かっている。
 https://www.wsj.com/articles/fed-rate-decision-looms-over-chinas-central-bank-1489578771