晴れ。
米国の住宅販売は4月、増加した。3月と比べて1・7パーセントの増加だった。増加は2か月連続で、雇用の順調な回復と歴史的に低い金利の追い風を受けている。
http://www.wsj.com/articles/u-s-existing-home-sales-rose-in-april-1463753517
ヘリコプターマネーと財政政策と題するサイモン・レンルイス教授の論考である。
ジョン・ケイらは、追加的な公共投資支出はよいアイデアだと論じている。そして、ヘリコプターマネー(HM)政策は紛らわしいか、ごまかしの財政政策である、と論じている。公共投資こそ正しい政策であり、HMは間違っているのだ。
われわれはこの間ずっと、HMが金融的なのか、それとも財政的なのか、終わりのない議論を続けてきた。しかし、この議論は究極的には核心的な論点ではない。HMによって配分するメカニズムは結局政府の合意を必要とする。そして、既存の金融政策は政府のコントロールが効かない財政的な結果を招くという点で金融的である。
世界経済がリセッションに陥るかどうかとは関係なく、米国や英国、ユーロ圏において公共投資は増加させるべきである。
財政刺激策は終わった。2010年にオズボーン首相とメルケル首相が議論をして、政府借入を即座に減らすべき点で一致した。
HMはこの点、政府借入をすぐに増やさずに財政刺激を行える特徴を持つ。それゆえHMはオズボーンやメルケルの合意した制約を回避することができる。
小さな政府を求める右寄りの主張をする政治家にとって、これは受け入れやすいように見える。しかし、私に言わせれば、これは赤字詐欺のようなものだ。
最後に見落とされている問題がある。独立した中央銀行はマクロ経済を安定化させる手段である。しかし、これはゼロ金利制約によって不完全なものになっている。もし、ゼロ金利制約によって、政府がこの状況を救うことができると考えるのであれば、HMは量的緩和よりも良い政策である。
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