英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ルラ大統領拘束

 ブラジルでは、ペトロブラス疑惑をめぐり、ルラ前大統領が警察に拘束されるなど、混迷が続いている。金曜日早朝に警察による家宅捜索が行われた。ペトロブラス疑惑は、国の政治の中枢にまで及んでいる。
 カリスマ的人気を誇る前大統領の支持者と、反対派の市民らが衝突する場面もサンパウロ市内郊外で起きている。
 訴追する検察の責任者は、「これは、われわれが、共和国の市民であることを思い起こさせる瞬間だ。この国では法律を超える人間は存在しない」と述べた。暗にルラ前大統領の専横を非難しているのだろう。
 ルラ大統領はかつて、国内外で高い人気を誇ったが、その拘束は25年ぶりの低い成長率を公表した1日後のことだった。
 しかし、マーケットはその逮捕を歓迎している。ルラ氏の弟子であり、ブラジル経済の減速を一層強めた現職のルセフ大統領の力を弱めることになるからだ。ユーラシアグループのアナリストは、「今日の逮捕は、ルセフ大統領はもはや任期を満了することはないだろうことを意味している」と指摘している。
 ルラ氏は数時間後に拘束から解放され、「これはメディアショーだ」と批判した。
 容疑は、彼が2010年まで任期を勤めていた8年間に、彼と彼の政党が国営石油会社との契約にあたり、大手企業から賄賂を受け取っていたことだ。大手建設会社はペトロブラス幹部や政治家たちに賄賂を送ったとされている。
 連邦警察は金曜日に、「われわれは、ペトロブラスに関する汚職マネーロンダリング疑惑を調査している」と述べた。
 重要なのは、ルラ前大統領の拘束によって、ルセフ大統領の没落を加速し、ブラジル通貨や債券、株価にとって好材料になっていることだ。レアルは1ドル3・67レアルまで上昇し、株価も上昇して始まった。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/011fcbb2-e1fc-11e5-96b7-9f778349aba2.html#slide0