英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

リセッションに備えよ

 次のリセッション到来に備え、計画を練るべきだと説く。
 2008年に金融界がはじけたとき、FRBは世界を救うためにあらゆる手段を講じた。銀行を救い、外国銀行を救い、ノンバンクを救った。金利はゼロに下げ、政府の国債を購入し、モーゲージ債も買った。そして、本当にラディカルだったのは、記者会見を始めたことだ。
 しかし、多くの人々はFRBはまだできることがあり、金融政策手段について再考している。名目GDPターゲット政策や物価水準目標政策、マイナス金利政策などだ。
 ここ数年間で一握りの中央銀行がこうした手段をすでに経験した。しかし、FRBはまだそうした手段を採用するに至っていない。
 しかし、火事で燃えているビルの中で、その消火方法を考えるのは間違っている。しかし、火事が消えれば、冷静に対処方法を考えることができる。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が言うように、今こそその時期である。
 http://fivethirtyeight.com/features/its-time-to-start-planning-for-the-next-recession/
 ヘリコプターマネーの時期なのか。ブルッキングス研究所のケマル・ダービー(?)氏が論じている。ステファン・ローチ氏は、日銀やECBなどのマイナス金利政策は単に次の危機を用意するに過ぎない無駄な取り組みだと指摘している。2月のG20会合では、イングランド銀行のマーク・カーニー氏が、こうした政策は究極的にはゼロサムゲームだ、と述べた。
 安価な水を大量に用意しているのに、馬は水をこれ以上飲もうとしない。今の世界経済はこんな状況だ。
 しかし、政策担当者らは、もう一つオプションがあると思っている。より純粋な財政政策へのシフトだ。つまり、ヘリコプタードロップ、である。
 こうすれば、金融市場や企業部門など余計な部門を通り抜け、のどが渇いている馬に直接水をやることができる。中間層や低所得層の消費者たちだ。
 このヘリコプタードロップ政策は、左派と中間派のエコノミストたち双方から提案されている。その意味で、保守派とされる経済学者たちも事実上支持している。
 現状の金融政策のインパクトにあきたらない論者から最近、よりラディカルな提案も登場している。最低賃金の引き上げを超えて、何人かの論者は反所得政策を提案している。こういう介入主義的政策は、今の状況がいかに危機的か、象徴している。
 http://www.brookings.edu/research/opinions/2016/03/03-central-banks-helicopter-money-dervis?rssid=LatestFromBrookings