英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

難民危機をどうマネージするか

 快晴である。台湾の地震が心配だ。
 今日は北朝鮮のミサイル発射の話題で持ち切りとなろう。
 北朝鮮が長距離ミサイルを発射した。禁止されている弾道ミサイル技術のテストが狙いだったと韓国政府は分析している。
 ミサイルは現地時間の午前9時に発射された。平壌南部から発射され、沖縄方面に向かって飛んだ。陸上や海上の被害は今のところ報告されていない。
 北朝鮮政府は人工衛星を発射するためのロケットだと説明しているが、人工衛星が周回軌道にのったという事実は確認されていない。
 北朝鮮は引き続き、人工衛星の打ち上げを行っていくという。科学技術の重要性に関与し続ける政策を遂行する一環だという。
 米国軍によると、ロケットは黄海を超えて飛んだが、北米への脅威はないという。
 http://www.wsj.com/articles/north-korea-fires-long-range-rocket-may-be-covert-missile-test-1454806681
 共和党の党員集会における議論。
 http://blogs.wsj.com/washwire/2016/02/06/gop-debate-preview-high-stakes-for-candidates-saturday/ 
 久しぶりのCRより、雇用統計について。
 今回の結果は”decent”な結果だったと評価している。しかし、少し深い分析をしてみると、”solid”な分析であると思う。
 失業率は4・9%まで低下した。労働参加率が上昇しているにも関わらず、だ。新規雇用者数の増加はコンセンサス予想ほど大きくない。しかし、過去数ヶ月のトレンド平均増加数に近い数値である。
 現在の人口動態からすると、新規雇用者数が10万人以下だと失業率は低下しない。だから、15万人の新規雇用者数の増加は手堅い数字であると言える。
 そして、これ以外のもうひとつの良い兆候は、賃金上昇率が上向いていることだ。コンセンサス予想も上回った。
 トータルの雇用者数は前回のピークを490万人上回っている。リセッションが始まり、その最低水準から比べて、1360万人の雇用を生んだ。
 http://www.calculatedriskblog.com/2016/02/comments-solid-employment-report.html
 トルコとシリアの国境付近における圧力が高まっている。難民たちがアレッポの先頭が激しくになるにつれ、国境周辺に集まっているからだ。
 ロシアとシリア政府の運行するジェット機空爆を続けている。多くの民間人犠牲者が出ている。
 この記事で証言しているシリア人家族は、トルコ国境内に入ることができた数少ない事例のひとつだ。国連の担当者によると、4万人以上のシリア人が北西部の家を追われた。シリアの地方政府は各国政府首脳に対し、ロシア政府に空爆をやめるような圧力をかけるよう求めている。
 アレッポにおける戦闘激化は欧州の主要都市における恐怖を増幅させている。新たな戦闘が起きれば、シリア人の難民が欧州に向かって押し寄せてくる恐れがあるためだ。トルコにおけるシリア人難民の数は250万人を超えている。しかし、過去2年間、トルコ政府などは難民の入国を制限してきた。治安がその理由だ。
 欧州首脳はアレッポの戦闘がグローバルな難民危機をより激化させるのではないかと恐れいている。それは欧州に新たな難題を突きつけるからだ。
 焦点となるのはトルコ政府の姿勢だ。彼らが難民を国内に入れるか否か、決める権限を持っている。
 http://www.wsj.com/articles/pressure-mounts-at-turkish-syrian-border-1454777274
 エコノミスト誌の最新号は、難民危機に関する特集である。この問題はEUに共通の政策を求めており、難民を入国させるのは良いが、その数を制限する必要があると説く。
 これほどの難民の流入は、欧州連合の諸国が一致して協力すれば、十分マネージ可能だという。これはドイツのメルケル首相も同じ考えだ。しかし、ドイツとスウェーデンは孤立の支援を強いられている。その結果、ドイツとスウェーデンは疲れ果てようとしている。もし、欧州が即座に秩序を回復しなければ、政治的な圧力はメルケルを引き摺り下ろし、国境閉鎖に雪崩を打つだろう。より一層心配すべきは、難民危機が外国人排斥や政治的なポピュリズムをあおる危険性があることである。
 すでに東欧諸国の一部では極右ナショナリズム勢力が力を得ている。もし、この勢力がドイツやフランス、イタリアなどに広がれば、欧州連合はバラバラになってしまう可能性がある。
 より管理がしっかりしたシステムを創出するには、3つの段階をふむ必要がある。ひとつは、難民を生んでいる国の圧力を和らげること。2番目は、難民申請の仕組みを見直すことだ。3つめは、難民申請の審査中にドイツなどに飛び越えて越境しないようとどまってもらうことだ。
 しかし、いずれのステップも困難を抱えている。最初のステップを例にとって考えてみよう。シリアの内戦を終わらせるのは、気の遠くなるような困難を生じる。今週j区ネーブで行われた和平協議は進展なしに延期された。
 恥ずべきことに、シリア人への援助は2015年にカットされたのだ。戦争が一層血なまぐさいものになっているのにも関わらずだ。今週ロンドンで行われたシリア問題に関する会議で、ドナー国は2016年に90億ドルの支援を求められた。60億ドルというのは、ドイツ人が1年間に消費するチョコレートの金額とほぼ等しい。
 http://www.economist.com/news/leaders/21690028-european-problem-demands-common-coherent-eu-policy-let-refugees-regulate