英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ごまかし予算

 いくつかの簡単な親指の法則。
 米国は世界でもっとも富裕な国である。それはなぜなのか。サプライサイドの政策がうまくいったからだろうか。政策の選択肢や米国経済の特徴、あるいは歴史的な出来事が、こうした米国の経済を生み出した原因かもしれない。しかし、どの要因がこうした経済をもたらしたのか、はっきりしない。
 しかし、このことは、サプライサイドの政策や改革を無視してよいということにはならない。サプライサイド改革は政治的に実現するのは難しいが、これらの政策の多くはおそらく有益であり、政治的な環境がどのように修正されるにせよ、実行されるべきだ。
 では、過剰な需要と過小な需要のどちらが害悪か。歴史が教えるのは、過小需要のほうが経済的にはコストが重く、政治的にも危険である。
 http://www.economist.com/blogs/freeexchange/2015/11/macroeconomics
 共和党の大統領選候補たちの論戦で、Fedが槍玉にあがっている。マーク・トーマ教授が候補者たちを批判している。
 たとえば、論戦の中で、Fedの低金利政策が所得の不平等を招いたとして非難されている。しかし、富裕層の貧困層のギャップが広がったのは1970年代からであるのだが、そうした事実は忘れられている。
 しかし、Fedの政策は中間層の家計を助けていることも忘れてはならない。
 http://www.cbsnews.com/news/where-feds-critics-got-it-wrong-in-gop-debate/
 バーナンキ前議長ブログより。「ごまかし予算」とでも訳すのだろうか。
 テーマはFedの資本を使った高速道路建設計画だ。今週木曜日に、議会下院はFedの資本を引き出して、高速道路を建設する案について投票を行った。Fedの資本を引き出して政府支出に充てるというアイデアは、周期的に浮上してくるが、いくつかの理由で間違っているとバーナンキ前議長は説く。一言でいうと、Fedの剰余金は連邦政府に送金されている。もし、その剰余金を含む資本を取り崩すのなら、それは連邦政府に送金されるお金の減少を意味する。新たに財源が生まれてくるわけではないのだ。
 http://www.brookings.edu/blogs/ben-bernanke/posts/2015/11/09-budgetary-sleight-of-hand