英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

Fedを監査せよ

 為替ペッグをしている国々のインフォグラフィクス。ドルペッグだけでなく、ユーロにペッグする国がアフリカ諸国に多い。中国をはじめ、米ドルに柔軟にリンクさせている国もある。
 1970年代初頭のブレトンウッズシステムまでは、大半の通貨がドルにペッグされていた。日本の円もしかり。しかし、それ以降、世界の通貨でペッグ制度を採用しているのは主に3つの理由で採用されている。
 第一のグループは中国に代表される。自由市場の為替変動を嫌って採用している国々だ。これらの国は資本の自由な移動を放棄し、通貨の変動をコントロールしている。
 2番目のグループは、経済の信認を得る目的で導入する国々だ。たとえば、アルゼンチンは1990年代にカレンシーボード制を採用した。それはハイパーインフレを終了させることが目的のひとつだった。こうした国々の金融政策は事実上、米国の金融政策と同じになる。
 3番目のグループはユーロ圏諸国だ。経済統合を促すことが目的である。
 しかし、ペッグ制には問題点もいくつかある。経済政策は為替目標に従属せざるを得なくなる。もし仮に、ペッグ先の金融政策が引き締めされると、ペッグ政策を採用している国の金融も引き締められる。もし、両者の経済が密接にリンクしていない場合、こうした政策はまったく不適切な結果を招く。
 市場がこれら政策の弱点を狙ってくる可能性もある。1992年にイギリスで起きたことが典型例だ。
http://www.economist.com/blogs/graphicdetail/2015/01/daily-chart-17
 今週の注目スケジュール。金曜日に公表される雇用統計だ。事前のコンセンサス予想では23万人の非農業部門の雇用者数の増加が見込まれている。
 http://www.calculatedriskblog.com/2015/01/schedule-for-week-of-february-1-2015.html
 Fedを監査せよとの主張が再び浮上している。しかし、その主張は米国経済を蝕むことになる危険な主張であるという。
 監査を主張する人々は、陰謀論に染まっている。テキサス州選出の共和党の下院議員だったロン・ポールが長年主張してきたことでもある。現在、共和党が上下両院で多数派を占めており、彼の主張が支持を得る可能性がある。
 たしかにグリーンスパン時代には、Fedはその「デルフォイ的ご神託」で批判されてきた。しかし、バーナンキやイエレンはそうしたグリーンスパン流を捨てて、透明性を重視している。
 もし政治家が米国経済と通貨の長期的な健康状態に関心があるのであれば、中央銀行の信認を貶めるようなことはやめるべきであると結論づけている。
 どこかの国の中央銀行の振る舞いを変えた人々に聞かせたい言葉である。
 http://www.washingtonpost.com/opinions/catherine-rampell-audit-the-fed-not-so-fast/2015/01/29/bbf06ae6-a7f6-11e4-a06b-9df2002b86a0_story.html