英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

パリのテロ

 終日雨。
 またもや目を覆いたくなる事件が起きた。フランスのパリで銃を乱射する事件があり、100人以上が死亡した。フランス史上最悪の事件となった。6箇所で別々の襲撃があり、全体の被害はまだわかっていない。当局も大きく動揺している。
 フランス政府は戒厳令を敷いた。軍隊がパリ街頭に出動し、道路を封鎖し、国境管理を厳しくしている。
 土曜日早朝になって、すべての襲撃者が死亡した、と当局は発表した。8人のテロリストが殺され、7人が自殺したという。オランド大統領は「われわれは戦う。容赦なく戦う」と述べた。
 金曜日の夜ということもあり、夕食やパーティに出かける人でパリ市街がにぎわっていたところで事件が起きた。
 今のところ首謀者の背景事情は判明していない。フランスはシリアとイラクにおけるIS空爆に参加している。それがテロリストグループの報復感情を刺激した可能性が指摘されている。
 http://www.wsj.com/articles/explosion-shootout-reported-in-paris-1447450450
 米国の大統領選レース。共和党の候補者選びは、候補者同士のライバル争いが激しくなり、次第に不愉快なレースになりつつある。トランプ、カーソンとクルズ、ルビオ同士の反目が対立を一層鮮明にしつつある。
 下劣なレースの口火を切ったのは、例によってトランプ氏だ。元神経外科医のベン・カーソン氏を個人的に侮辱した。カーソン氏はトランプ氏を全米世論調査で追い上げている。彼はWSJとのインタビューで、カーソン氏は不治の病気だ、と述べた。
 同種の反目はテキサス州上院議員、テッド・クルズ氏とフロリダ州上院議員、マルコ・ルビオ氏との間でも生じている。論点は不法移民への市民権の付与だ。ルビオ氏は、現在上院が可決した移民法改正案に賛成している。改正法案では、不法に米国に入国した移民に市民権を付与する道を開いている。
 共和党の候補者レースは、トランプ、カーソンというアウトサイダー候補者同士の争いと、クルズ、ルビオという上院議員同士の争いに集約されつつある。こうした個人攻撃は古参の共和党員を困惑させている。
 今のところトランプ氏は論争を生き残っている。この能力があるので、専門家は彼がその立ち位置を変えるのかどうか、予想できないでいる。
 http://www.wsj.com/articles/republican-presidential-race-turns-nasty-as-candidates-rivalries-crystallize-1447461711
 中国の人民元がSDRに採用される見通しとなった。ラガルドIMF専務理事が「人民元IMFリザーブ通貨に入るべきだ」と述べた。今月下旬に正式に認められる見通しだ。
 人民元IMFの準備通貨となると、中国が世界の経済大国として地歩を築く一里塚になりそうだ。
 同時に発表されたスタッフレポートによると、今年初めに一次評価が行われた際に指摘された運用上の問題点に中国政府は対処したと評価されている。
 中国人民銀行も声明を出し、中国は金融システムの改善を続け、規則だったやり方で市場開放も進めると述べた。
 しかし、エコノミストたちは、IMFの基準はあいまいであり、今回の決定はたぶんに政治的な側面が強いと指摘している。
 ただ中国政府には課題が残る。減速している経済を建て直し、金融市場、為替市場の自由化も進めなければならない。
 http://www.wsj.com/articles/chinese-yuan-should-be-an-imf-reserve-currency-christine-lagarde-says-1447459802