英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

イエレンとバーナンキ

 バーナンキ氏がイエレン氏にインタビューするというデュエット企画が登場した。テイラー教授がこの企画におけるイエレン発言に注目している。
 カリフォルニア大バークレーで著名なエコノミストとして知られていたイエレン氏の四半世紀は、米国の経済政策決定における最前列に座っていた歴史だといえる。
 FOMCは決して文字通りのコンセンサスで運営されているわけではない。しかし、伝統的に大まかな合意を形成するよう運営努力がはらわれてきた。このプロセスについて、イエレン前議長は言及している。
 また、ゼロ金利制約は将来、再び問題になるだろう、と述べている。
 中でも、かつてサブプライム危機のときに話題の主の一つであった貸し手、カントリーワイド・フィナンシャルのトップ、アンジェロ・モジロ氏が、金融規制監督者に転じるくだりだ。
 もう一つは、クリントン大統領が最初に進めた財政再建の取り組みである。その結果、米国経済は信頼を取り戻し、その後の繁栄につながった。当時、財政赤字はコントロールできていなかった。そして、そのことが長期金利を高く押し上げていた。しかし、クリントン政権は、イエレン議長が思うに、財政政策を引き締めることに非常に高い関心を持っていた。しかし、財政を引き締めることで当時非常に高いままだった失業率に悪い影響が出ることが懸念されていた。
 長期にわたって財政を引き締める、すなわちよくデザインされた財政緊縮策は経済活動に影響を与えない、というのが、イエレン前議長が得た教訓だという。
 http://conversableeconomist.blogspot.jp/2018/03/bernanke-interviews-yellen-fed-chair-as.html
 Fedのバランスシートへの懐疑的な見方について。金融危機後、Fedのバランスシートは4倍に拡大した。問題は、緊急貸し出しではなく、Fedが購入を着実に増やした米国債MBSである。両者は三段階で拡大していった。中央銀行が大規模に国債保有することの効果は、理論的には機能しないとされたが、バーナンキ氏が言うように、実際には効果があった。
 こうした証拠の一つはイベント研究からのものだ。実際、FedがQE1からQE3まで、発動を宣言すると、長期金利は顕著に動いた。こうした研究によると、QEによって長期金利を100ベーシスほど押し下げることができたとしている。しかし、グラフを見る限り、逆にFedの宣言後、金利は上昇しているように見える。
 http://econbrowser.com/archives/2018/02/a-skeptical-view-of-the-impact-of-the-feds-balance-sheet