英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

スイス中銀とECB

 シカゴ大学のジョン・コクラン教授がスイス中銀やECBのこの間の動きについて論評している。
 この2週間、ECBやスイス中銀のアクションが市場を騒がせた。スイス中銀はこの間、スイスフランとユーロのペッグを維持するために、スイス1カ国のGDPに相当する規模のユーロを買い上げてきた。これは一種の大規模なQEである。
 スイスとECBの違いは何か。スイスは資産を買い、マネーをプリントした。これに対し、ECBは債務を買い、ユーロを売却している。両者が逆の取引を行っている。
 ここからいくつかの教訓が導きだせる。
 ひとつは、ペッグが成功するかどうかは信認次第だ。また、為替ペッグ政策は財政政策と等しい。つまり、スイス中銀は最終的にはスイス政府と一心同体であるということだ。スイス中銀の収支が行き詰まれば、最後はスイス政府が助けざるを得ない。もちろん、スイス中銀にとって、こうした事態は悪夢と呼ぶしかない。
 したがって、もし本気でペッグを遂行しようとするなら、それは財務当局との協力なしにはあり得ない。つまり、ペッグのつけは最後は国民の税負担にまわる。
 http://johnhcochrane.blogspot.jp/2015/01/snb-chf-ecb-and-qe.html