英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ケインズを解剖する

 ケインズ主義者たちを解剖する、という刺激的なタイトル。このコラムが基点となって、多くの論争を呼んでいるようだ。論旨は故ブキャナン教授らの論旨と似ている。
 今年、2014年は経済の潮目が大きく変わった。成長率は再び上昇に転じた。経済政策、経済思潮の分野も、伝統的なケインジアンの信奉者の勃興に対し、批判的な声が出始めた。
 一例が英国のオズボーン財務大臣。12月14日に彼はこう書いている。ケインジアンはより一層の歳出と借り入れを求めているが、それは経済の回復にとって誤った処方箋だ、と。
 アダム・スミスケインズを比較すれば、現在はスミス派が復活しているかのようだ。
 ケインズ主義者たちはわれわれにこう教えている。金利がゼロ近傍になると、デフレスパイラルに陥ってしまう。デフレがより一層需要を低下させ、さらにデフレを生んでしまう、という。
 しかし、こんなことは一度も起きていなかった。日本が良い例だが、確かに低成長である。しかし、3・5パーセントの失業率でデフレスパイラルということはない。
 ケインジアンたちは、歳出カットや失業手当の中止がなければ、より早く経済はリセッションから回復できていたという。しかし、これも誤りだ。
 http://www.wsj.com/articles/john-h-cochrane-an-autopsy-for-the-keynesians-1419205362