英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

アジア通貨戦争

 この記事も面白い。ノーベル経済学賞を受賞した経済学者、トービン教授の気の利いた表現を使って、通貨安戦争をひねりを利かせて表現している。
 米国経済の好調ぶりがドルの価値を引き上げ、それが世界的な商品市況の下落を招いている。世界的な商品市況は、ドルの価値に連動しているためだ。ドル上昇は米国の外でディスインフレ傾向を強める。
 他の主要中央銀行はマネープリンティング傾向を一層強めている。一番典型的な例が日本銀行だ。欧州中央銀行もそれに習おうとしている。
 通貨戦争が一番ホットなのはアジアだ。ドルにペッグしている中国の人民元がドル価値の上昇に伴い、金融的な引き締めという形で中国に効いているためだ。
 http://ftalphaville.ft.com/2014/11/28/2054752/i-see-currency-wars/
 クルーグマン教授。ケインズがゆっくりと勝利しつつある、と述べている。
 OECDは2011年に、欧州などに対し、緊縮財政のみならず、利上げを求めた。それがいまや逆に財政と金融による刺激策を求めている。
 もちろん、OECDの担当者は交代したから、こういう主張の転換が可能になった。現在のエコノミストはキャサリン・マン氏だ。
 財政タカ派Fed内において撤退戦を始めているようにみえる。日銀はケインジアンの勢力分野にある。財政学で有名なアレシナ教授はニューケインジアンだ。
 こうした潮流の変化が起きたのは、危機から6年が経過し、反ケインジアンはすべてにおいて間違っていることが明らかになったからだ、という。
 まあ、いつものクルーグマン節といえば、その通りである。
 http://krugman.blogs.nytimes.com/2014/11/26/keynes-is-slowly-winning/?_r=0